1997年2刷 B５判 P397 帯・カバー少スレ、少汚れ、端少イタミ カバー上端僅シミ汚れ、内側僅時代シミ 天少汚れ
※モノクロ図版
“「書物の図像学」誕生！
400点の図版・131のテーマ”（帯文）
“…本書は、修道院の一隅で神の言葉を転写した中世ヨーロッパの写本生産に始まって、20世紀初めの出版形態 にいたる1500年余りの間に、図像の形で現在に残された本の生産に携わる人々の様子を読み解く試みである。 実際に取りあげたのはヨーロッパ、とりわけイギリスの例が多いが、必要に応じて欧米や和漢の書物の文化現象 にも触れている。…”（本書「まえがき」より）
目次：
まえがき
【�機．撻鵑畔源�】
概説
a 蠟板
ポンペイ壁画の女流詩人／蠟板の活用
b ペン
ペンを削る聖マルコ
c 書体
若きウェルギリウス／アルドゥス・マヌティウスの遺産／イタリック体の名手ロジャー・アスカム／読み書きできる、それが問題だ／出版者ベルの工夫／人間味のある活字／モリスとバーン=ジョウンズ／エドワード・ジョンストンの人と芸術
【II 写本と写字生】
概説
a 羊皮紙
羊皮紙工房と販売人
b 写本
ヨーロッパ最古の装飾写本／聖遺物としての福音書写本／交誦聖歌集の写本／医療と写本／マリ・ド・ブルゴーニュの時禱書／愛の小道具に使われた写本／英詩の父チョーサー／ラファエル前派と中世写本／『ロランの聖母』の影響
c 写字生
最古のラテン語聖書写本／写字生の実態／正体を明かす装飾師と写字生／12世紀イギリスの修道院の写字生と写本／才気あふれる写字生マシュー・パリス／夫婦そろって写字生／写字生ジャン・ミエロ／写字生ロワゼ・リーデット
d 写本装飾師
旅する写本装飾師サイモン親方／写本装飾師ゲオルク・ベック
【III 印刷と製本】
概説
a インキュナビュラ
写本に見えるグーテンベルク聖書
b 印刷術
活字と組版／印刷用具
c 印刷所
初期の印刷所／印刷所の変遷／印刷機の発達／印刷博物館
d 製本
製本業の発達／製本の実際／個性的な製本
e ブックデザイン
ブックデザインの変遷／テクストと装飾／工房の絵師／書物デザイナーとしてのロセッティ／パピエ・マシェ製本と『目覚める良心」』
f 紙
製紙工程／マーブル紙
【IV ミネルヴァのいる場所】
概説
a 本とワイン樽
樽詰めにされた書物
b 本の行商と露天商
本の行商／行商人の群像／露店販売風景
c 書店の歴史
ヨーロッパ最古の書店／17―18世紀の書店／18世紀の書店／19世紀の書店／20世紀の書店
d 書店風景
本屋さんは子どもの天国／古書店
e 書店主
書店主の日常／店主もたいへん／ケンブリッジの書籍商ニコルソン
f 書店と社会
禁書販売／書店はミネルヴァがいるところ／情報交換の場／社交の場／
g オークションとブックフェア
最古のオークション／古書業界の帝王バーナード・クォリッチ／フランクフルトのブックフェア
【V 本と人々】
概説
a 読書風景
聖母マリアの教科書／書斎のヒエロニムス／書斎で居眠りするチョーサー／ことの始まりは本の読みすぎ／ジョンソン博士の読書術／女性読者／読み聞かせ
b 熱心な読者
英語でも「本の虫」／ああ、もう手遅れだ
c 著作者とパトロン
女流作家とパトロン／パトロンへの献呈／音楽家とパトロン／
d 新しい世界観
現実的な地図と架空の地図
e 自立する著作者
ジョンソン博士の「独立宣言」／マリーの英語辞書
f 著作者と出版者
必死の売り込み／気安く出版できない事情
g 武器としてのペン
ボウプの『愚人列伝』／八面六臂の菜食主義者／本の受難
h ジャーナリズムの誕生
定期刊行物と言論の自由／コーヒー・ハウスとパンフレットの文化
【VI 学校と図書館】
概説
a 先生と生徒
修道院での講義／学生は昔も今も／医学の講義／講義するアヴィセンナ／庶民の子どものための学校／ホーンブックでABC
b 図書館の歴史
アレクサンドリアの図書館／ボドリー図書館／ケンブリッジ大学図書館／大英図書館／卒業生からの贈りもの／身近な図書館
c 鎖付き図書館
本はみずからを守る
【VII 本をめぐって】
概説
a 「本」のことば
語源あれこれ
b さまざまな本
携帯に便利なガードル・ブック／豆本／仕掛け絵本／三角形の本
c 書誌学の散歩
写字生の思いこみ／知られざる前小口絵／グーテンベルク聖書を見た最初の日本人／シェイクスピアのファースト・フォリオ／科学の発展に寄与した書物／紙魚、または書物の敵／スクラップブックになりはてたミサ典礼書
d 愛書家の生態
本を枕もとにおくのが夢／百合とバラ／諷刺されるブック・コレクター／ピープス氏の潔癖／ロクスバラ・クラブ
e 偽作者
スパニッシュ・フォージャー／誠実にして勤勉なる偽作者／愛書家はロマン主義者／偽作者の自伝／昼はロンドン書誌学会長
f 読書の小道具
回転式書見台／ボッカチオのランプ付き書見台／書見台は必備品／ポータブル図書館／メガネの出現／ディケンズの蔵書票
図版出典
参考文献
あとがき
人名索引
事項索引
