1990年 A5判 P334 カバー少汚れ、背少ヤケ 天汚れ、時代シミ 小口少汚れ
澁澤龍彦とその著述について、多くの文学者・研究者がさまざまな媒体で綴った文章を収録した論集。
1988年に澁澤の追悼企画として『別冊幻想文学 澁澤龍彦スペシャル』I、IIが刊行された際、紙幅の都合で割愛せざるを得なかったものを拾遺し補う一冊。
(ただし澁澤没後に発表された追悼文・作家論の類と、澁澤著作に付された解説・回想の文章などは対象から除外されている。)
目次:
【I】
澁澤龍彦氏のこと(三島由紀夫)
澁澤龍彦(埴谷雄高)
花の魔術師(石川淳)
読書界を裏返した男(稲垣足穂)
古地図を辿って……(瀧口修造)
澁澤君の印象(大岡昇平)
美少年と珊瑚(倉橋由美子)
繭ごもる嬰児(中井英夫)
『東西庭園譚』その他(日影丈吉)
澁澤文学私観(筒井康隆)
【II】
憂い顔の革命家、澁澤龍彦(抄)(杉田總)
兇器のダンディズム(磯田光一)
メートル原器のある庭園(種村季弘)
自然児澁澤龍彦(松田修)
望遠鏡をもっ た作家たち(巖谷國士)
所有の王国のスタイリスト(富士川義之)
澁澤龍彦と死の博物誌(吉田城)
趣味の小宇宙(川本三郎)
【III】
閑話放題(出口裕弘)
“サド侯爵主義”の人(岩田宏)
昔のことども(吉行淳之介)
旅のお仲間(堀内誠一)
「青春の日々」のこと(野中ユリ)
結晶好きな赤子の顔(土方巽)
後方見聞録 ―澁澤龍彦の巻(加藤郁乎)
澁澤龍彦とのこと(池田満寿夫)
澁澤龍彦家の暴風雨の一夜(高橋睦郎)
エロスの百花狼藉(唐十郎)
鎌倉の一寸法師(四谷シモン)
北鎌倉のユートピア(金井美恵子)
【IV】
『サド復活』(遠藤周作)
『黒魔術の手帖』(木々高太郎)
昆虫少年の情熱(吉本隆明)
現代偏奇館(三島由紀夫)
『神聖受胎』『犬狼都市』(埴谷雄高)
デカダンスの聖書(三島由紀夫)
『毒薬の手帖』(埴谷雄高)
『世界悪女物語』(中田耕治)
『夢の宇宙誌』(栗田勇)
『夢の宇宙誌』(埴谷雄高)
恐しいほど明晰な伝記(三島由紀夫)
『サド侯爵の生涯』(遠藤周作)
『異端の肖像』(出口裕弘)
『幻想の画廊から』(大岡信)
ダイアローグする狂気(松田政男)
『澁澤龍彦集成』(松山俊太郎)
『黄金時代』(石川淳)
『黄金時代』(巖谷國士)
『偏愛的作家論』(加藤郁乎)
『悪魔のいる文学史』(種村季弘)
『ヨーロッパの乳房』(田中美代子)
『ユートピアとしての時計』(丸谷才一)
事物の変容(富士川義之)
『旅のモザイク』(高橋睦郎)
amor figurae(川村二郎)
『洞窟の偶像』『東西不思議物語』(寺山修司)
『記憶の遠近法』(多田智満子)
陽物神のアナーキー(種村季弘)
ナマケモノ(池内紀)
『太陽王と月の王』(河村錠一郎)
「寓意」と「転生」としての翻訳(山野浩一)
『唐草物語』(北嶋廣敏)
じめじめした日常を超越した書斎人のまなざし(大室幹雄)
『ねむり姫』『マルジナリア』(四方田犬彦)
余白の思考(岡庭昇)
『澁澤龍彦コレクション』を読む(池内紀)
『うつろ舟』(川村湊)
『私のプリニウス』(高山宏)
『フローラ逍遙』(野口武彦)
『高丘親王航海記』(奥野健男)
明澄な死の旅行記(平出隆)
『高丘親王航海記』(巌谷國士)