1994年　A５判　P322　帯角折れ跡　カバーヤケ、少汚れ、端僅イタミ　小口少汚れ　天僅波打ち

中井英夫の没後に刊行された第七エッセイ集。

装幀：建石修志

“時はただ静かにふりつもり、 磨き上げられてゆく……
乱歩、澁澤龍彦、寺山修司など偏愛する作家たちへ捧げられたオマージュ。
そして、都市、書物、時間をめぐる断章。
'85〜87年にかけての長期連載を含む、中井英夫最後のエッセイ集。”（帯文）

目次：
流刑地の弁

【I　乱歩変幻】
孤独の呟き
混沌の変化
『孤島の鬼』を読む
喜びと不安と
江戸川乱歩『貼雑年譜」

【II　双つ星の終焉】
幻想の回廊もしくは狂気の徴光もしくは……
「死」を想う、「死」を語る
寺山修司『ぼくが狼だった頃』
唾を吐く人たちへ
彗星に献ず
三島と寺山と
贋の金貨
かくれんぼ
知の触手
三島も澁澤もいないこの地上なんて
双つ星の終焉
澁澤龍彦『高丘親王航海記』

【III　夢の跡】
桝目の幻想
『幻想博物館』について
『幻想博物館』について
屍体透視
家畜人ヤプーについて
黒い翼＝渡辺啓助の特異性
怪人二十面相
緑の茱萸酒《パンクエンス》
小栗虫太郎私記
寂しい巨人
田端のひと・龍之介
鳥の軌跡
夢の跡
汚濁の海と死と
俳句の訪れ
弟の旅

【IV　幻想旅行者】
香りの予感
白い夕映え
生活の中の匂い
緑の安らぎと水の憎しみ
非薔薇の日々
花と恐竜 193
薔薇と透明人間
“時分の花”讃
幻想旅行者
的としての東京
古き良き田端
上野ふたむかし
山住みの記
五色不動再訪
野川の明と暗

【V　磨かれた時間】
夕映の彼方に
磨かれた時間

編集後記