昭和62年新装版 B6判 ソフトカバー P241 帯僅ヤケ カバースレ、背ヤケ 天地小口僅汚れ
おもに文学や文学者をめぐる評論・エッセイ・書評を集めた文集。
“文化へ反旗するまことの天族の消息
詩精神とは何か。人間性の讃歌やむなしい思い出の表出ではない。測り知れざる存在の不安に直面すること。かかる危機に常に自己を瀕せしめて置くこと。そして超越―。即ち宗教。かくして宇宙的観念を獲得するのだ!”(帯文)
目次:
【I】
藤の実の話 ―退屈で困っている二人の青年の間に交された一片
云い たい事一つ二つ ―自作を回顧して
鸚鵡の一件 ―最近の佐藤春夫氏
云わして貰います
ラリイシモン小論
批評家を待たない
末梢神経又よし ―文壇の愚劣二三に対する抗弁
フェアリー時代 ―文壇展望台
来らんとするもの
われらの神仙主義
タルホ入門 ―初学者諸君のために
機械学者としてのボオ及び現世紀に於ける文学の可能性に就いて
物質 の将来 ―仮面の人々へ
鬼 ―芥川龍之介の幻想
象徴的表現 ―特に〈幻想と表現〉について
ギリシァと音楽 ―「詩の倫理」(I)
まことの愛 ―「詩の倫理」(II)
花と存在 ―「詩の倫理」(III)
反時代的な詩観 ―「詩の倫理」(IV)
無限なるわが文学の道
文学者の本分
月への気球 ―書出し
【II】
『弥勒』 ―わが小説
僕のオードーヴル
「非ユークリッド」との因縁 ―ほんとの出会い
蔵書一冊 ―作家のプライド
五人の死者
『死後の生活』 ―名著発掘
「GGPG」の思い出
「文科」の頃
銀河鉄道頌
黄薔薇 ―ランボウ抄
サド侯爵の功績
旅順海戦館と江戸川乱歩
南方学の密教的な貌 ―南方熊楠
読書界を裏返した男 ―澁澤龍彦
加藤郁乎カプリチオ
津田画伯の回想
“すでに肉体が真理である” ―笠井叡「天使論」
“慎重にやれ”の意を含み ―平木国夫「空気の階段を登れ」
私の夏=蕪村の夏、
タルホ・ファンタジー自註
デカンショ節 ―流行歌
裸形執筆
一年我見
近ごろ思うこと
アンケート
解説(巖谷國士)