2005年初版 P333 帯付 小口からページ端にかけてヤケ
“海で死んだ死人はの、はあもう陸のもんじゃない。海の持ちもんじゃっての。”(帯文)
“船幽霊、漂流船と船人の信仰、海辺・海中の妖怪、伝承文学に昇華した海の幽霊……二〇年余にわたる意欲的なフィールドワークと文献調査の成果を集成し、豊富な事例をひきながら海妖伝承を系統立てて研究した民俗学者の遺稿集。没後、私家版としてごく少部数が刊行され、「幻」とまで評された名著、ついに復刊!巻末に用語・書名・人名索引を付す。”(カバー袖紹介文)
目次:
序(臼田甚五郎)
お礼にかえて(関山としえ)
第一章 船幽霊とは
{1、船人の見た幽霊/2、船幽霊の見分け方/3、船幽霊の呼び名/4、船幽霊の性格/5、船幽霊の船/6、船幽霊出現の季節}
第二章 海の幽霊の成り立ち
{1、海での死さまざま/2、督乗丸船員飢餓の漂流死/3、伊勢丸の船員奴隷となり死に及ぶ/4、海賊の名で殺された越前の船乗り/5、漂流船を引き寄せる怨念の海域}
第三章 漂流中の船人の信仰
{1、操船を決めるおみくじ/2、たらしで船の流れをくい止める/3、竜神に頭髪を供える/4、悪霊をさけ帆柱を切断する/5、舟を助けに来る神/6、船から逃げる神}
第四章 海上に現われる幽霊たち
{1、霊風は海の亡者の怨霊/2、山や岬に憑く船人の亡霊/3、船を止めるシキ幽霊/4、柄杓貸せと叫ぶ海の亡者/5、海坊主さまざま/6、名指しで現れる幽霊}
第五章 海辺の妖怪たち
{1、磯女の不思議/2、牛鬼、濡れ女の怪}
第六章 海中の妖怪―共潜き
{1、海女の幻覚か妖怪を見る/2、共潜きの性格/3、聖地に現れる共潜き/4、海女の怖れと慎み/5、幽霊へと変化する共潜き}
第七章 死霊鎮慰の呪法
{1、海上での呪術/2、海中での呪術}
第八章 海の幽霊、伝承文学への昇華
{1、海の幽霊と文学とのかかわり/2、平家一門生霊から死霊へ/3、西海に浮遊する平家の公達}
先輩関山守彌さん(野村純一)
解説(花部英雄)
索引