
1999年 A5判 P337 帯端少セロテープ跡 カバー端僅イタミ 天僅時代シミ 裏遊び紙少セロテープ跡
“女はなぜ蛇になるのか
近世文学にあって、〈女と蛇〉というシンボリックな観念連合は、奇怪さ、薄気味の悪さだけではない、絢爛たる色彩を帯びた強烈な光を放っていた。
グロテスクな美意識、デモニッシュな想像力に肉薄し、江戸人の心性を抉出する。”(帯文)
目次:
【I】
「蛇性の姪」の系譜 ―秋成・鏡花・中上健次
蛇の追放と消去 ―近代文学の風景
蛇女の説話と民俗 ―近世を泳ぎ超える女たち
【II】
地獄絵の中の〈女〉と〈蛇〉 ―近世的通念における否定的なるもの
伝奇主題としての〈女〉と〈蛇〉
戯作者たちの〈女〉と〈蛇〉
江戸読本の〈女〉と〈蛇〉 ―『霜夜星』と『勧善常世物語』
【III】
怪奇物語の〈女〉と〈蛇〉 ―振鷺亭の『千代囊媛七変化物語』
異形の愛 ―江戸の奇異な話
女妖白蛇抄 ―少年と性愛と
清姫の角 ―近世文化の聖と穢
山姫幻想の系譜 ―鏡花への私注
「異界」としての想像力 ―江戸期伝奇ロマンの濫觴
あとがき
初出一覧