1997年2刷 四六判 P255 帯スレ、端破れ カバースレ、少汚れ、端少イタミ 裏遊び紙剥がし跡
“俳句の世界は無限大に広く深い!
現代俳句は時間、宇宙、自然、都市、異界四大(地水火風)、身体、死……等をどのように受けとめ、作品化しているか。
子規以後、俳句は何をめざしてきたか。
俳句の魅力を既成概念から解放する画期的な俳句ガイド”(帯文)
目次:
【第1部 現代俳句スタイルブック】
現代俳句の領域と新たな分類法
第1章 さまざまな文体
俳句の文体 {(1)口語的文体と文語的文体/(2)語調のヴァリエーション/(3)切字の用法/(4)表記のヴァリエーション}
ことば遊び各種
俳句文体の将来
第2章 時間をめぐる俳句
[俳句を成立させる時間]
一句の終結
モチーフとしての時 {(1)現在/(2)過去/(3)未来}
俳句のなかの時間の問題
モチーフとしての時間帯 {(1)朝/(2)昼/(3)夜}
俳句のなかの時間帯の問題・・・
第3章 空間をめぐる俳句
[俳句を成立させる空間]
モチーフとしての空間 {(1)都市/(2)田園/(3)自然/(4)地名/(5)異国・外国/(6)宇宙/(7)異界}
空間から見た俳句の問題点
第4章 四大(地・水・火・風)をめ くる俳句
[四大と想像力]
地 {(1)平安の水平軸/(2)恐怖の垂直軸}
水 {(1)活性化させる水平軸/(2)軽快な水平運動/(3)清らかな垂直運動/(4)恐ろしい水の厚み}
火 {(1)生命力の源泉/(2)拡大する情念/(3)神秘の威力}
風 {(1)爽快な自由/(2)空虚な終末/(3)空虚な破壊力/(4)視界の魔術}
四大の偏り
第5章 生物をめぐる俳句
[俳句と生物]
動物 {(1)共感の対象としての動物/(2)人間との呼応/(3)分身/(4)神秘的存在}
植物 {(1)共感の対象としての植物/(2)人間との呼応/(3)分身/(4)神秘的存在}
無機物
第6章 身体をめぐる俳句
[俳句と身体的なもの]
肉体{(1)たしかさの根拠/(2)ナルシスの泉/(3)哀愁の凝視/(4)驚異の舞台}
スポーツ {(1)溶ける肉体/(2)孤立する肉体}
病気 {(1)滑稽な異常/(2)美しい異常/(3)死の幻影}
エロス {(1)ういういしい恋/(2)追憶の恋/(3)同性愛/(4)汎エロス}
身体的なものの限界・
第7章 日常生活をめぐる俳句
[俳句のモチーフとしての日常生活]
家族 {(1)母/(2)父/(3)兄弟姉妹/(4)夫・妻/子}
衣食住 {(1)衣/(2)食/(3)住}
労働
俳句のなかの日常生活の問題点
第8章 聖なるものをめぐる俳句
[俳句と聖なるもの]
冠婚葬祭
宗教・呪術 {(1)宗教的行為/(2)神道の残存/(3)宗教的幻想}
怪異
死 {(1)劇的な自死/(2)空虚な死/(3)臨終の予想/(4)その他の死の諸相}
聖なるものの未来
第9章 諸芸術をめぐる俳句
[俳句と諸芸術]
絵画・彫刻
音楽
その他の芸術
俳句のなかの諸芸術の問題点
現代俳句のかなた
引用句集一覧
【第2部 二十世紀日本俳句ガイダンス】
第1章 近代日本俳句の出発
[1]俳句と二十世紀 {発句から俳句へ/新しい観点の俳句史が必要}
[2]十九世紀末俳句の問題点 {碧梧桐の「印象明瞭」/漱石俳句の奇想天外と滑稽/初期近代俳句の四つの特徴}
[3]初の近代個人句集『妻木』の位相 {遅れた個人句集の誕生/季語別の編集}
第2章 二十世紀日本俳句のフロンティア
[1]心理主義的進展 {編年編集の個人句集の誕生/一碧楼・放哉・山頭火/阿部宗市と松本恭子}
[2]社会批評的進展 {プロレタリア俳句の登場/反体制俳人橋本夢道/中村草田男の社会批評と神の声/戦後の社会性俳句、六林男・鬼房/右翼俳人の獄中句集/社会批評的志向の継承者}
[3]自然諷詠的進展 {原石鼎の『花影』/スケールの大きい飯田蛇笏/高浜虚子と川端茅舎/山口誓子『黄旗』の意味}
[4]暗喩主義的進展 {富沢赤黄男の革新/戦後の前衛俳句、重信・兜太・兜子/暗喩主義的志向の継承者}
[5]コスモロジー的進展 {永田耕衣の先駆的仕事/郁乎・浩司・番矢}
第3章 二十世紀末日本俳句から未来へ
[1]二十世紀日本俳句の総決算
[2]二十世紀へ