1986年 A5判 P235 カバー少ヤケ、少スレ、端少イタミ、角破れ 小口少汚れ
“古事記、日本書紀、風土記における三輪山伝承、イザナミ伝承から、道成寺説話にいたる神話伝承を精細に読み解くことによって、そこに脈流する蛇神信仰の原初的イメージと伝承形式を追求、古代日本人の死と生をめぐる精神構造の根源にせまる。”(カバー紹介文)
目次:
【序章 日本神話のなかの蛇神】
【第一章 三輪山伝承】
(一)蛇神伝承の本拠地三輪山/(二)苧環伝承の位置づけ/(三)大物主神の妻の名称と皇室の祖/(四)ミワの由来/(五)陶―葬送儀礼集団の存在/(六)ミモロ―他界との接点
【第二章 倭迹迹日百襲姫命の死―巫女の死】
(一)箸墓伝承/(二)倭迹迹日百襲姫命の出自と巫女性/(三)巫女性の後退―歴史的時間と神話的時間/(四)櫛の古代的意味/(五)櫛笥と聖性/(六)女陰突きによる死と聖性の喪失/(七)箸墓伝承の構造とイザナミ命神話の類比性
【第三章 イザナミ命伝承】
(一)イザナミ命は蛇神か/(二)イザナミ命、イザナキ命二神の聖婚/(三)国生み神生み/(四)カグツチ神の誕生とイザナミ命の神避り/(五)イザナミ命の墓所/(六)「花の窟」と常世国、黄泉国/(七)イザナキ命の黄泉国訪問―見るなの禁忌と禁忌の侵犯/(八)イザナミ命の黄泉国での姿―蛇身/(九)イザナミ命の恥と追跡、イザナキ命の逃走/(十)イザナミ命、イザナキ命の永遠の分離―「千引の石」とムロ/(十一)イザナミ命伝承の構造
【第四章 肥長比賣伝承とその周辺】
(一)肥長比賣伝承―その構造と蛇神性/(二)サホヒコ、サホヒメ伝承とホムチワケの誕生/(三)物言わざる神、ホムチワケ/(四)ホムチワケ伝承とアジスキタカヒコネ命伝承/(五)日置部と阿麻乃彌加都比賣伝承
【第五章 道成寺伝承】
(一)イザナミ命、肥長比賣伝承の中世的発現/(二)「日高踊」の構造/(三)『道成寺縁起』と「日高踊」/(四)『今昔物語集』と『本朝法華験記』に見る道成寺伝承/(五)「籠り型」伝承と「ムロ」/(六)「川渡り型」伝承と肥長比賣伝承/(七)鐘への怨念