昭和55年初版 四六判 P355、384 月報付 上巻:函カバー背少ヤケ 本体セロハンカバー端破れ 下巻:セロハンカバー折れ跡
“彼の遺作であり、反宗教改革運動のプロパガンダ文学として十七世紀スペインで量産された巡礼小説の形式を借りた本書は、来歴の謎を秘める美しい兄妹の巡礼絵巻であり、作者自らがスペイン文学の《最高傑作、さもなくば最低の書》と述べ、その余りもの幻想性、奇想性のゆえ長く看過されてきた、セルバンテス暴生の大著である。”(函カバー裏紹介文より)
【上巻】
“蛮族、海賊、魔女の跋扈する極北の氷海から聖地ローマへ、来歴の謎を秘める美しい兄妹のバロック的大巡礼奇譚―セルバンテス絶筆の幻想小説!”(函カバー紹介文)
目次:
査定書
原本版本照合証明書
勅許書
檢閱証
ドン・フランシスコ・デ・ウルビーナより、ミゲル・デ・セルバンテスによせる、墓碑銘
ルイス・フランシスコ・カルデロンより、ミゲル・デ・セルバンテス・サペドラの墓前にたむける、ソネート
レモス伯爵への献辞
序
第一巻
第一章/第二章/第三章/第四章/第五章 蛮人島のイスパニア人が客に聞かせた身の上話/第六章 夷パニア人の身の上話が続く/第七章/第八章 ルティリオが身の上を語る/第九章 ルティリオの身の上話が続く/第十章 恋するポルトガル人の身の上話/第十一章/第十二章 渡海船の正体/第十三章 トランシラが父に代って話を続ける/第十四章 鎖につながれた男女の素性/第十五章 (この大いなる物語、その第一巻第十五章)/第十六章 (ペルシーレスとシヒスムンダの物語、その第一巻第十六章)/第十七章 王子がタウリサのその後を語る/第十八章 マウリシオが占星術によって水難を予知する/第十九章 二人の兵士のしわざ。ペリアンドロとアウリステラはふたたび離ればなれになる/第二十章 深雪の島での珍事/第二十一章 (ペルシーレスとシヒスムンダの苦難の物語、その第一巻第二十一章)/第二十二章 船長の話。国もとのポリカルポ王が主催する盛大な祭典のこと/第二十三章 優勝者が兄ペリアンドロとは。これを知ったアウリステラの嫉妬
第二巻
第一章 一行もろとも渡海船が転覆する/第二章 世にも不思議な出来事が語られる/第三章/第四章 シンフォロサの恋の打ち明け話が続く/第五章 ポリカルポ王と娘シンフォロサのやりとり/第六章/第七章 二部から成る(その一)/第七章 (その二)/第八章 クローディオがアウリステラに手紙を渡す。蛮人アントニオが誤ってクローディオを殺す/第九章/第十章 ペリアンドロが旅のできごとを語る/第十一章/第十二章 ペリアンドロの愉快な物語が続く。アウリステラが攫われる/第十三章 ペリアンドロが素晴らしい海の冒険を語る/第十四章/第十五章/第十六章 ペリアンドロの話が続く/第十七章/第十八章/第十九章 レナートが庵島へ来たいきさつを語る/第二十章 ペリアンドロとクラティロ王愛用の名馬のこと/第二十一章
月報:セルバンテスの科学精神 ドン・キホーテの読み方(飯沢匡)/言葉の肉体的な力(鈴木志郎康)/周縁の人、セルバンテス(牛島信明)
【下巻】
目次:
第三巻
第一章/第二章 巡礼の一行。イスパニアの旅。一行の上に珍事奇事がもちあがる/第三章―木に隠った娘。その身の上/第四章/第五章/第六章/第七章/第八章/第九章/第十章/第十一章/第十二章/第十三章/第十四章/第十五章/第十六章/第十七章/第十八章/第十九章/第二十章/第二十一章
第四卷
第一章/第二章/第三章/第四章/第五章/第六章/第七章/第八章/第九章/第十章/第十一章/第十二章 ベリアンドロとアウリステラの素姓が知れる/第十三章/第十四章
セルバンテスと『ペルシーレス』(荻内勝之)
月報:ロックを外すと(宮原昭夫)/二つの架空のアンソロジー(鼓直)/周縁の人、セルバンテス(承前)(牛島信明)