1983年 新書判 P247 カバー少ヤケ、僅スレ 小口少ヤケ 巻頭数ページ上端少イタミ
“諸外国の新しい魔女研究の成果を取り入れて人類の狂気“魔女狩り”を実証的に解明する!”(カバー紹介文)
“…ヨーロッパ諸国やアメリカでは〈略〉とくに一九六〇年代以降、魔女研究のニュー・ウェイブがはじまり、これらはいずれもきわめて実証的な歴史学的研究である。私たちはこれらの最新の研究成果によりながら、オカルト的興味からではなく、あくまで歴史的事象として魔女狩りを取り上げようとつとめた。そのために今まであまり用いられてこなかった国別、地域別に、年代順を追って、魔女狩りの経過をたどるというやり方をとった。…”(本書巻頭「はじめに」より)
目次:
はじめに
【序章 魔女の時代】
{人類の狂気/異端狩りと魔女狩り/魔女狩りの時代/宗教改革/近代科学と魔術/新しい魔女学の成立/魔女裁判と拷問}
【1 ドイツ、ネーデルラントの魔女裁判】
魔女熱狂の到来
{反対論者ヨハン・ヴァイヤー/魔女裁判の動向/地理的概観}
トリエルの魔女裁判
{市外より市内へ/市長フラーデ魔女となる/論敵ロースの登場/トリエル魔女裁判の原因}
ネルトリンゲンの魔女裁判
{世俗領内での魔女裁判/レベッカ裁判と家族/迫害の終結}
ロッテンブルクの魔女裁判
{断続的魔女迫害/貴族アガタの逮捕/町長ハルマイヤー}
フルダの魔女裁判
{トリエル型迫害/魔術取締り官ロス}
エルヴァンゲンの魔女裁判
{慎重な当局/孤独な老婦人リューフィン/止めどなき裁判/混乱と悲劇と/大迫害盛衰の原因}
バンベルクの魔女裁判
{その前史/市長ユニウスの裁判/皇帝フェルディナントの介入}
ヴュルツブルクの魔女裁判
{僧侶も学生も子供も/ユリウス・エヒテルスの治世/ フィリップ・アドルフの治世/終結へ}
反対論と魔女熱狂の衰退2
{アダム・タナーとシュペー/クリスチャン・トマジウス}
ネーデルラントの魔女裁判
{寛容なオランダ/スペイン領ネーデルラント/デル・リオとベッカー/ベッカーの魔術批判}
【2 フランス、スイス魔女裁判史】
一六世紀の大規模迫害
{魔女迫害の第一波/ジャン・ボダン/レミーとロレーヌ地方/アンリ・ボゲ/ピエール・ド・ランクル/魔女裁判第一波の特徴}
一七世紀魔女迫害と悪魔憑き事件
{迫害第二波/迫害第三波/ゴーフリディ事件/ルーダンの悪魔憑き事件/ルーヴィエ事件/オクソンヌ事件}
政府の対応と魔女裁判の衰微
{悪魔憑き事件と知識人/パリと地方の高等法院/コルベールの介入/毒薬事件と統一法規/一六八二年以後}
スイスにおける魔女裁判
{スイス魔女裁判の神話/意外に穏やかなジュネーヴ/小パニックの地スイス}
【3 イギリスとアメリカの魔女狩り】
スコットランドの魔女狩り
{魔女伝説/宗教改革/魔女狩りのはじまり/ジェイムズ六世の『悪魔学』/ピュウリタン革命と魔女狩り/王政復古と魔女狩り/魔女狩りの消滅}
イングランドの魔女狩り(一)
{魔女狩りの波/エセックスの魔女狩り/エクソシスト/ランカシャーの魔女狩り}
イングランドの魔女狩り(二)
{魔女発見家マシュー・ホプキンズ/魔女狩りの批判者たち/クロムウェルの時代の魔女狩り/悪魔は姿を変えた/それでも魔女は残った}
アメリカの魔女狩り
{自由の天地アメリカ/セイレムの嵐/セイレム魔女狩りの背景/魔女狩りの余影}
【4 魔女とされた人びと】
魔女の犯罪
{魔女を追いかける/魔女の犯罪/聖書と魔女/魔女伝説とキリスト教/魔女犯罪の動機}
魔女の素顔
{魔女の性別/魔女の年齢と家庭環境/魔女の社会的地位/村の嫌われもの/魔女の地域分布/魔女の宗教}
魔女狩りの背景
{なぜ魔女なのか/魔術からの脱却/魔術の解放/「一七世紀の危機」/魔女狩りの終焉}
【研究史と現状】
{最初の研究ブーム/研究のニュー・ウェイブ さらなる活況}
文献リスト