1989年 A５判 ソフトカバー P226 カバー背および端ヤケ、上下端僅イタミ 小口僅時代シミ 裏遊び紙剥がし跡
雑誌『國文學』第33巻第4号を改装、単行本化したもの。
国内外の幻想文学45作品をテーマ別に、文学者や研究者が紹介するほか、高山宏による序論、キーワード解説、須永朝彦が江戸の伝奇・怪談小説について綴った短文などを収める。
目次：
土俗が迷宮を穿つきみを、どこかへアッシャー・イン（高山宏）
幻想文学キーワード
｛悪魔／アトモスフェア／ヴァンピリズム／ヴォワヤージュ・エクストラオーディネール／エロティシズム／オカルティズム／グロテスクなもの／光学／ゴシック・ロマンス／サイコアナリシス／サブライム／スーパーナチュラル／テクスチュアリティ／都市／ドッペルゲンガー／ノンセンス／ファム・ファタール／メタモルフォーゼ／メニッペア／ロマンティシズム｝
【土俗か迷宮を穿つ】
幸田露伴「対髑髏」（野山嘉正）
泉鏡花「草迷宮」（小森陽一）
坂口安吾「桜の森の満開の下」（長谷川政春）
島尾敏雄 「夢の中での日常」（紅野謙介）
【知性狂乱】
江戸川乱歩「パノラマ島綺譚」（浜田雄介）
夢野久作 「ドグラ・マグラ」（浜口稔）
中井英夫「虚無への供物」（田中励儀）
澁澤龍彦「うつろ舟」（高桑法子）
【夢／悪夢／ファンタジー】
夏目漱石「夢十夜」（百川敬仁）
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宮沢賢治「銀河鉄道の夜」（高橋世織）
埴谷雄高「死霊｣（石井和夫）
安部公房「壁 ―S・カルマ氏の犯罪」（石原千秋）
村上春樹「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」（宮川 健郎）
【言語の過剰】
井上ひさし「吉里吉里人」（山田有策）
筒井康隆「虚航船団」（平野芳信）
【鬼界／都市／地獄】
佐藤春夫「西班牙犬の家」（中島国彦三島由紀夫 「豊饒の海」（鈴木貞美）
石川淳「狂風記」（古橋信孝）
荒俣宏「帝都物語」（鎌田東二）
【土俗が迷宮を穿つ】
エドガー・アラン・ポー「アッシャー家の崩壊」（八木敏雄）
ブラム・ストーカー「吸血鬼ドラキュラ」（高山宏）
ヘンリー・ジェイムズ 「ねじの回転」（高橋和久）
【知性狂乱】
メアリ・ウルストンクラフト・シェリー「フランケンシュタイン」（荒俣宏）
エリアス・カネッティ「眩暈」（池内紀）
レーモン・ルーセル「ロクス・ソルス」（岡谷公二）
【夢／悪夢／ファンタジー】
「ヨハネの黙示録」（笠井潔）
ドニ・ディドロ 「ダランベールの夢」（植島啓司）
エルンスト・テオドール・アマデウス・ホフマン「ブランビラ姫」（田辺秀樹）
ルイス・キャロル「アリス・ストーリー」（高山宏）
フランツ・カフカ「変身」（木下直也）
【言語の過剰】
フランソワ・ラブレー「ガルガンチュワとパンタグリュエル物語」（四方田犬彦）
ロレンス・スターン「紳士トリストラム・シャンディの生涯と意見」（森利夫）
トマス・ピンチョン「V．」（佐藤良明）
【魔界／都市／地獄】
ジョナサン・スウィフト「ガリヴァー旅行記」（加藤光也）
ボナヴェントゥーラ 「夜警」（原研二）
ジェラール・ド・ネルヴァル「十月の夜」（篠田知和基）
アルフレート・クービン「裏面（対極）」（檜山哲彦）
【《自己（ゼルプスト）》への旅】
オノレ・ド・バルザック 「セラフィタ」（沢崎浩平）
ハーマン・メルヴィル「白鯨 モービィー・ディック」（千石英世）
ヘルマン・ヘッセ「デミアンある青春の物語」（今泉文子）
【テクスチュアルな幻想】
ホルヘ・ルイス・ボルヘス「伝奇集」（加藤光也）
イタロ・カルヴィーノ「宿命の交わる城」（高山宏）
ジョン・バース「やぎ少年ジャイルズ」（楢崎寛）
ウンベルト・エーコ「薔薇の名前」（丹生谷貴志）
日本の古典と幻想文学 たとへば京伝―略説・江戸の怪談と伝奇（須永朝彦）
幻想文学参考文献案内（高山宏）
