2016年6刷、2014年3刷、2014年3刷 文庫判 P632、570、587+索引14 各巻カバー少ヤケ、少汚れ、少スレ、端少イタミ 小口少汚れ
【I】
“人間の意識の在り方(実存)を精緻に分析し、存在と無の弁証法を問い究めた、サルトルの哲学的主著。
根源的な選択を見出すための実存的精神分析、人間の絶対的自由の提唱など、世界に与えた影響は計り知れない。フッサールの現象学的方法とハイデッガーの現存在分析のアプローチに依りながら、ヘーゲルの「即自」と「対自」を、事物の存在と意識の存在と解釈し、実存を捉える。20世紀フランス哲学の古典として、また、さまざまな現代思想の源流とも位置づけられる不朽の名著。I巻は、「即自」と「対自」が峻別される緒論から、「対自」 としての意識の基本的在り方が論じられる第二部までを収録。”(カバー裏紹介文)
目次:
ちくま学芸文庫版第I巻への注記
凡例
緒論 存在の探求
{I 現象という観念/II 存在現象と現象の存在/III 反省以前的なコギトと知覚の存在/IV 知覚されること ercipi の存在/V 存在論的証明/VI 即自存在}
第一部 無の問題
第一章 否定の起原
{I 問いかけ/II 否定/III 無についての弁証法的な考えかた/IV 無についての現象学的な考えかた/V 無の起原}
第二章 自己欺瞞
{I 自己欺瞞と虚偽/II 自己欺瞞的な行為/III 自己欺瞞の《信仰》}
第二部 対自存在
第一章 対自の直接的構造
{I 自己への現前/II 対自の事実性/III 対自と、価値の存在/IV 対自と、諸可能の存在/V 自我と、自己性の回路}
第二章時間性
{I 時間的な三次元の現象学 (A)過去 (B)現在 (C)未来/II 時間性の存在論 (A)静的時間性 (B) 時間性の動態/III 根原的時間性と心的時間性―反省}
第三章 超越
{I 対自と即自とのあいだの典型的な関係としての認識/II 否定としての規定について/III 質と量、潜在性、道具性/IV 世界の時間 (A)過去 (B)現在 (C)未来/V 認識}
原註
訳註
I巻訳者あとがき
【II】カバー裏上端に1センチ弱の破れ カバー袖および扉ページ少シミ汚れ 巻頭数ページ下端少濡れ跡
“……II巻は、第三部「対他存在」を収録。他者の存在をめぐって、私と他者との相剋関係を論じた「まなざし」論をはじめ、愛、言語、無関心、欲望、憎悪、マゾヒズム、サディズムなど、他者との具体的な諸問題を論じる。”(カバー裏紹介文より)
目次:
ちくま学芸文庫版第II巻への注記
凡例
第三部 対他存在
第一章 他者の存在
{I 問題/II 独我論の暗礁/III フッセル、ヘーゲル、ハイデッガー/IV まなざし}
第二章 身体
{I 対自存在としての身体―事実性/II 対他―身体/III 身体の第三の存在論的次元}
第三章 他者との具体的な諸関係
{I 他者に対する第一の態度―愛、言語、マゾヒズム/II 他者に対する第二の態度―無関心、欲望、憎悪、サディズム/III 《共にある存在》(共同存在)と《われわれ》 (A)対象-《われわれ》 (B)主観 - 《われわれ》
原註
訳註
II巻訳者あとがき
【III】表紙から巻頭数ページにかけて上角薄く折れ跡
“……III巻は、第四部「持つ」「為す」「ある」を収録。この三つの基本的カテゴリーとの関連で人間の行動を分析。人間の絶対的自由を提唱する「自由と状況」論や、独自の実存的精神分析の構想などが展開される。”(カバー裏紹介文より)
目次:
ちくま学芸文庫版第III巻への注記
凡例
第四部 「持つ」「為す」「ある」
第一章 「ある」と「為す」―自由
{I 行動の第一条件は、自由である/II 自由と事実性―状況 (A)私の場所 (B)私の過去 (C)私の環境 (D)私の隣人 (E)私の死/III 自由と責任}
第二章 「為す」と「持つ」
{I 実存的精神分析/II 「為す」と「持つ」―所有/III 存在を顕示するものとしての性質について}
結論
{I 即自と対自―形而上学的概観/II 道徳的展望}
原註
訳註
『存在と無』用語解説(松浪信三郎)
解説(北村晋)
人名索引・事項索引