1989年　A５判　P421　カバーヤケ、汚れ、スレ　本体表紙・見返し・小口からページ端にかけてヤケ

“第二次大戦後の音楽界において常に指導的立場にあった著者が自身の音楽観を、そしてストラヴィンスキー、シェーンベルク、メシアン等を語る。”（宣伝文）

“セリー音楽から出発し、いまや、最先端のテクノロジーを駆使する作品を発表する傍ら、指揮者、批評家として、ポンピドゥーセンターの一部門である現代音楽研究所《IRCAM》の創設者として、多彩な活動を繰りひろげる現代フランス最高の作曲家ブーレーズの六〇年代以降の主要論文を集成する。
現代音楽を巡る理論的・実際的状況の分析及び提言に始まり、ヴァーグナー、ストラヴィンスキー、ベルク、……における歴史・伝統の受容あるいはそれらとの闘争、革新の様々な形を考察し、西欧音楽の伝統が直面した極めて二十世紀的問題《非-西欧との遭遇》を語るに至るこれらの論述は、常に、分析的知性と、長年に及ぶ作曲家-指揮者としての体験に裏付けられた現実性との類まれな統一を見せている。”（カバー袖紹介文）

目次：
【第一部　想像する】
美学とフェティッシュ
趣味と機能
作曲と批評
教育とコミュニケーション

【第二部　他者への眼差し】
語り、演じ、歌う　●シェーンベルク
ベルリオーズと想像界
『ペレアスとメリザンド』のための鏡
様式あるいは思想？／記憶喪失症礼讃　●ストラヴィンスキー
再-探究された時間　●ヴァーグナー
メシアン／ユートピアの時間
『ルル』／第二のオペラ

【第三部　道程回顧】
音楽界の現状
ヨーロッパの思考と非-ヨーロッパの思考
打楽器をめぐる諸問題／クロード・サミュエルとの対話
形に表わされないもの／テオドール・アドルノ論

訳註
年表
初出一覧
八〇年代のプーレーズ　解説にかえて
訳者あとがき