1975年　四六判　P371　帯・函ヤケ大、時代シミ、汚れ　函縛り跡　帯端少破れ　ビニールカバー端少イタミ　本体背端少汚れ　小口少汚れ

“第2次大戦下、神戸の中央、山から海へ一直線に下りるトーアロードの途中に実在した、人種雑居の掃き溜めホテルの住人たちをめぐる、 奇妙にユーモラスで哀しい人間模様を、超現実的な雰囲気と詩情を漂わせる独得の筆致で描き出した珠玉の名品「神戸」「続神戸」。現代俳句に先駆的光芒を放った鬼才が自己の拠ってきたる軌跡を明らかにする「俳愚伝」。加えて、自由人＝コスモポリタン三鬼の面目を髣髴させる飄飄たるエッセイ「葉山雑記」を収録する。　―句界のペガサスと語われた三鬼の醇乎たる散文世界！！”（帯裏紹介文）

自伝的作品である標題３作と、エッセイ集「葉山雑記」を収録。巻末に付論「ボヘミアン三鬼」（三谷昭）、「三鬼への小さな花束」（大岡信）。

目次：
【神戸】
奇妙なエジプト人の話／波子という女／勇敢なる水兵と台湾人／黒パンと死／月下氷人／ドイツ・シェパード／自動車旅行／トリメの紳士光／鱶の湯びき／猫きちがいのコキュ

【続神戸】
マダムのこと／三人の娘さん達／再び俳句へ／サイレンを鳴らす話／流々転々

【俳愚伝】
わが投句時代／「新俳語会」結成前後／わが俳句開眼／無季俳句の時代／「天香」の創刊まで／俳句弾圧はじまる／新興俳句は死刑か／真夏の夜の悪夢／弾圧家族／連盟分裂す

【業山雜記】

西東三鬼略年譜

ボヘミアン三鬼（三谷昭）
三鬼への小さな花束（大岡信）