
1997年2刷 文庫判 P252 カバースレ、少ヤケ、少時代シミ、少イタミ
“共産主義を鼓舞しながら、その裏切りや挫折のうちに潰えていったものは何だったのか? 今世紀を貫く政治的文学的体験における「共同体」 をめぐる思考を根底から問い直し、「共に存在する」ことの裸形の相に肉薄する。それはいっさいの社会的関係の外でこそ生きられる出来事であり、そこで分かち合われるのは逆説的にも複数の生の「絶対的分離」である。ハイデガーの「共存在」を換骨奪胎し、バタイユの共同体の試みやデュラスの愛の作品、そして「六八年五月」の意味を問いながら、「共同体の企て」やその政治化の厄々しい倒錯を照らし出し、「共同体」を開放系へと転じる20世紀のオルフェウス、ブランショの思想的遺言ともいうべき書。”(カバー裏紹介文)
目次:
I 否定的共同体
II 恋人たちの共同体
訳註
ブランショと共同体―あとがきに代えて
【付録】
I 遺産なき共産主義
II ビラ・ステッカー・パンフレット
文庫版訳者あとがき