昭和49年 B6判 ソフトカバー P286 カバースレ、少ヤケ、端僅イタミ 小口ヤケ、汚れ 地に小印
第一部では神話の怪物から大航海時代以降の誇張された博物学的報告、現代のUMAまで、海に出現した怪物・巨大生物などを大まかな年代に沿って、適宜図版を挿入しつつ紹介。
さまざまな記録を列挙しつつ、創作や誇張、既知の生物といった現実的解釈の可能性も示唆する。
後半約三分の一に相当する第二部ではサメやエイ、シャチなど実在の生物をとりあげる。
目次:
【I 「海の怪獣」発見史】
「海の怪獣《シー・モンスター》」は生きている
{歴史的事実の信源性/生きていた化石/沈泥に埋もれた怪獣の世界/古代芸術に見る海竜の姿/深海にひそむ謎/無視できぬ数多くの目撃例}
神話に見る怪獣の素描 神話時代―西暦一五○○年
{ホメロスの詩の怪獣/懐疑派の登場/人類の師オアンネス/世界各国の怪獣伝説/闘技場に出た「海の怪物」/美女・怪獣・大海蛇/ 『博物誌』の虚実/ローマ軍団と怪獣の決戦/怪獣発見史の暗黒時代/北欧諸国の撃報告/大航海時代への暁鐘}
怪獣の誇大化時代 西暦一五○○年―一七〇〇年
{ゲスナーの『動物誌』/マグヌスの海図/ホラ話の中の真実/大海蛇の放電現象/怪獣の背でミサ/ポントピダンの登場/北海のクラーケン/日本の海竜伝説/誇張された目撃報告}
伝説からの脱却 西暦一七○○年―一八〇〇年
{クラーケンの具体的報告/リンネの怪獣実在説/ポントピダンの悪魔説/エゲデの著作の科学調査/航海技術と怪獣観測法/海獣・巨魚との区別/大海蛇に発砲/怪獣界の主役大海蛇《シー・サーペント》/目撃者の報告の急増}
信源性と反論 西暦一八〇○年―一八五〇年
{カミングズ神父の報告/緑の背をしたペラミス/ストロンセーの怪獣/同一種?を目撃/リンネ協会の調査/グロスター港の怪獣/嘲笑にさらされた報告/ひかえ目な具体的報告/『タイムズ』紙の報道/話を打ち込まれた怪獣/エリー湖の怪獣/『ディーダラス』号の報告/捕獲された海蛇の正体}
確証を求めて 西暦一八五〇年―一九〇〇年
{大海蛇に正式学名《リネウス・ロンギシウス》/多数による目撃報告/『モノンガヘラ』号の怪獣捕獲/大海蛇を発見、追跡/苦闘の末仕留める/海蛇を解体、塩漬け保存/消えた証拠に疑惑/英海軍捕獲の海蛇の正体/「アルクト
ン」号が捕えた大イカ/全員で十分間も観察/聖職者の詳細な報告/多数の裏付け証言/考古学者、艦長らの証言/南太平洋での海蛇報告/出確な表現の報告}
科学時代の「海の怪獣」 西暦一九○○年―一九五○年
{目撃報告の残した謎/動物学協会員による報告/正確な位置と第二の証言/三畳紀の爬虫類?/鯨を追う怪獣/『ヒラリー』号の記録/大海蛇を砲撃/のたうつ“海底ワニ”/漁師は始終目撃していた/テムズ河の海蛇/砂上に残る怪足跡/空中より怪獣発見/広く世界から情報}
科学的な追跡 西暦一九五○年―一九七一年
{ネッシーの探索/アイルランドの怪獣/怪獣にも汚染公害?/カナダに棲む怪獣/百年前にも大騒動/謎の肉塊と足跡/大海蛇に襲われる/カリフォルニアの怪獣/漁網にからまった怪獣/客船との衝突/怪獣目撃報告は続く……}
真物と贋物の判別
{代表的な合理論/列になったイルカ/危険な頭足類/珍魚リュウグウノツカイ/海を漂う大蛇たち/古生物残存説/巨大な海亀/流木を誤認/海獣が怪獣?/鳥の群れも怪獣に/目撃報告を恐れるな}
【II 生きている「怪獣」たち】
海の殺し屋―サメ
{四億年の歴史/恐るべき凶暴性/功罪と俗説/淡水化で凶暴化/サメ退治の新兵器/サメに老化はない}
海の悪魔―エイ
{悪食王アンコウ/大エイの謎の跳躍/悪魔魚《デビル・レイ》の恐怖/悪名高きノコギリエイ}
人喰い魚―ハタとカマス
{海底の大怪魚/潜水夫をひと呑み/浅瀬で襲うカマス/戦慄的な多殺性/一瞬の襲撃}
大洋の魔王―シャチ
{食物連鎖の頂点/エスキモーの恐怖/巨鯨を襲い殺す}
深海の騎士―カジキ
{船板を貫通/メカジキとサメの対決/超高速魚バショウカジキ/最高のゲーム・フィッシュ}
怪獣と結ぶ輪―ウナギ
{生態の謎/大食漢のウツボ/唆んだら放さぬアナゴ/ウナギの一生と大旅行}
クラーケンの正体―タコとイカ
{歴史的怪獣のモデル/危険な大ダコ/海底の忍者/想像以上の大イカ/深海の魔王/大イカ発見小史}
巨大な生物たち
訳者あとがき