2006年8刷 文庫判 P352 復刊帯付
“鋭敏な観察力、才能豊かな筆の運び。
一八六三年四月、日瑞修好通商条約締結のために来日したスイス時計業組合会長が見聞した幕末日本の諸相。
長崎・京都・鎌倉など日本各地の様子、特に江戸の町を鉛筆と手帳を携えて巡り歩き、鮮やかに描き出す。
床屋・本屋・武道場等の情景や武家屋敷のたたずまいがありありと蘇る。細密で美しい挿画百四十点を掲載。”(カバー裏紹介文)
目次:
序 ―国家と民衆の真実を明らかにするために
著者エメェ・アンベール氏と日本
第一章 渡航、長崎と下関
{日本の海に入る/長崎の風景/日本沿岸の風景/ワンデル・カペレン海峡(関門海峡)と下関の街}
第二章 瀬戸内海
{日本の諸島の概観/諸侯とその収入/日本の内海の概観/大名の城/内海の将来}
第三章 江戸湾
{潮岬から江戸湾へ/ペリー提督の遠征/神奈川条約/ 横浜到着}
第四章 日本のヨーロッパ人居留地
{オランダ人居留地/その居留者/私たちの召し使い/日本語の授業}
第五章 われらの隣人
{鳥居/お寺/お堂と坊さん/坊さんの役目/茶屋と料亭/役人/陣屋/日本婦人の来訪}
第六章 国と国民
{鳥類/沿岸住民の親切/日本の春/稲田/山の住人/交通路と渡し場}
第七章 日本人の家庭生活
{日本社会の階級性/日本の男子及び女子のタイプ/衣服/履物/住居/日本の学校/家庭生活}
第八章 ミカドの邸宅
{兵庫と大坂/京都/僧職/寺院/京都の住民と生活/芝居と娯楽/宗教儀式/祭り}
第九章 京都の芸術と流行
{日本文明の開花期/支那と日本の相違/芸術/流行/宮中の生活/宮廷の風俗と習慣}
第十章 金沢への遠足
{日本の夏/舟遊び/日本の船頭/金沢の入り江/宿屋/失敗}
第十一章 タイクンの居館
{貴族の居館/鎌倉の郊外}
第十二章 鎌倉の神社仏閣
{八幡宮/偶像/僧侶/鎌倉の大仏}
第十三章 東海道
{東海道/旅の方法/渡河の方法/富士山/関所/暗殺の舞台/茶店万年/川崎/大森/鈴ヶ森/品川}
第十四章 ヨーロッパの使節代表
{江戸の町/町の庶民地区/高輪の埠頭/ジォオ寺/ヨーロッパ/|使節代表の居所}
第十五章 高輪と愛宕下
{お城の方角への遠足/街頭の見世物/写真撮影の不可能/寺院/大名の屋敷/屋敷に立ち入ることの困難}
第十六章 城の周辺
{大君の城/クラダ(桜田) 区/大君の警護/武士の軍事教育/剣術道場/婦人への剣術指南/刀剣の誇示/井伊掃部頭の襲撃}
第十七章 江戸の商人地区
{警告/本屋/狡猾と執拗/家屋の建築様式/床屋/履物屋/海産物屋/魚屋}
第十八章 江戸の橋
{四つの大橋/水上の娯楽/音曲の夕ベ/楽器/ギター(三味線)/琴}
第十九章 本所
{手工製造業の性質/僧侶と寺院/区の手工業と工業/本所/日本の仕事場へ立ち入ることの困難}
第二十章 芸術品と工業製品
{工業における日本人の芸術性/ガラスに描く絵}
第二十一章 江戸庶民の娯楽
{町の軽業師と京都の曲芸師/角力/日本の芝居と民衆劇場}
第二十二章 祭りと祭日
{寺院その他の年度祭/祭りに神秘的な意味はない/明神の山車/白象の行列/その他の行列}
第二十三章 浅草と吉原
{浅草の礼拝堂/護身符の配布/新吉原/ガンキロォ}
訳者のことば
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