
1975年初版 A5判 P236 帯少汚れ、背折れ跡、端少破れ 函ヤケ、少汚れ 本体表紙僅汚れ 小口ヤケ、天少時代シミ 巻頭図版ページ端時代シミ
装幀:堀内誠一
“―全篇に鏤められた代替不可能の真の詩的言語。諧謔と警句と猥雑の典雅なる混合。ラディゲの天才に挑戦して書かれたとも言われる天才詩人コクトーの自伝的恋愛小説を澁澤龍彦の名訳で贈る。”(帯文)
“『大胯びらき』は、苦悩にみちた青春の恋愛小説なのであるが、表面的には、きらきらした修辞に覆われた、衒気いっぱいな小説のように見える。そのスタイルが、きわめて密度が濃く、描写が圧縮されているために、特有のスピード感があって、よほど読み巧者な読者でないと、ここから発散してくる苦悩や悲哀を、よく味わい得ないのではなかろうかと思われるほどである。このスピード感こそ、しかしコクトオのスタイルの第一の特徴なのであるから、読者はぜひともこれを味わうように心がけてほしい。(訳者あとがきより)”(帯裏紹介文)