1977年 A5判 P291 カバー端少イタミ 内側少時代シミ
江戸時代、とくに江戸後期から幕末、さらに明治維新の頃までを中心に、日本における西洋語の習得・翻訳と辞書の歴史を紹介する。
目次:
はしがき
第一章 漂着した横文字
{はじめての西洋語/少年使節のラテン語演説/政宗、謹んで吸い奉る/オランダ船の漂着/大ぶりたんや国王の書/英国の撤退、スペインとの断絶/島原の乱でポルトガル船追放/忘れられたポルトガル語}
第二章 『解体新書』と蘭学
{蘭書翻訳は馬の本が最初/『解体新書』の翻訳/蘭学に進む道しるべ/蘭学のひろがり/江戸と京都に蘭学塾/ハンドブック『蛮語箋』/文法が研究の土台/禁教下に聖書の例文/大名が編集した日蘭辞書}
第三章 サムライと蘭学塾
{英・仏・蘭の三辞書成る/シーボルト事件の波紋/蘭学塾に集まる青年/閉門覚悟で辞書の出版/「虎の巻」は江戸時代から/サムライは会話が苦手/オランダ語から英語へ}
第四章 読めない横文字
{波瀾に芽生えた英・仏・露語/フェートン号事件/Oはヨー、Wはドブヨ/最初の英和辞書/フラン ス語は第一等/マドモアゼルは嬢君《あねぎみ》/漂流民、口シア女帝に謁見/ロシアで作った日本語辞書}
第五章 活躍した密航者
{モリソンは人か船か/一五○両の化学書/ジョン万次郎帰る/犬の毛のような臭い/クワンソンはシャンソン/アメリカ酋長嗣子の潜入/日米両語のすれ違い/仏学始祖村上英俊/英文法・会話書の出現/力ナ書き発音の苦心/アメリカ人の日英会話書}
第六章 開国を迎えた洋学
{長崎・箱館の洋学所/横浜の英・仏学校/蕃書調所から洋書調所へ/漢学者・漢方医の圧力/座敷牢で英和辞書執筆/自費出版の仏和辞書}
第七章 サムラィの海外留学
{開成所の英・仏語教科書/英・仏単語篇の虎の巻/座禅で解く英文典/ヘボン和英辞書と協力者/海外留学生の派遣/留学費を稼いだ英和辞書/土佐海援隊の英語入門書/自由とフリードム/米・中国の教科書を採用}
第八章 維新の洋学校
{砲煙と大火の中で授業/訳語には江戸方言と新語/洋学塾は花盛り/南校と東校、正則と変則/学生は帯刀・袴着用/各国語箋と仏和辞書/フランス語を抜いたドイツ語研究/西洋の学問に才気は禁物}
第九章 文明開化と英語
{少女留学生ァメリカへ/玉石混淆の留学生/北海道開拓に英和辞書刊行/最初の小学読本に「野球」登場/直訳と意訳・翻訳/パーレー万国史の直訳/ウィンドウは「びいどろまど」/挿図入り英和辞書の出現/西洋習字、Tの冠と爪/ドンビノハネは「急ぐな」/洋学の花開いた明治五年/和英・和独・和仏辞書の発展/西洋人の日本語研究と洋学}
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