昭和57年3版、54年初版 四六判 P406、479 各巻函ヤケ、少汚れ 帯イタミ 本体小口少ヤケ、僅時代シミ
“フランスの銅版画家ジャック・カ口の幻想的・諷刺的画風にちなみ、夢幻的、ロマン的、怪奇的な戦慄をよび起こす中篇短篇作品集。失恋の苦悩を一学生の物語に託し、美しく詩的な幻想の世界に事物の本質を透視する傑作『黄金の壺』、狂った楽長の手記に失恋の苦しみと音楽論を織りまぜた『クライスレリアーナ』、『ドン・ファン』など。”(宣伝文)
【I】本体扉ページシミ汚れ
“自らの芸術観を、 カロとの関係において語る〈ジャック・カロ〉、処女作〈騎士グルック〉、日常性に埋もれた意識や感覚では測ることのできない芸術を生の原理とし、因襲の枠をたえず突破し、俗物の芸術鑑賞を見抜いては嘲弄する楽長クライスラー像を造型した〈クライスレリアーナ〉、人語を話す犬との対話によって芸術論・人生観を披瀝した〈ベルガンサ〉他”(帯文)
目次:
序文
I ジャック・カロ
II 騎士グルック
III クライスレリアーナ
IV ドン・ファン
V 犬のベルガンサの運命にまつわる最新情報
VI 磁気催眠術師
作品解題
【II】
“大学生アンゼルムスと緑の小蛇ゼルペンティーナ(以上高貴性)、教務事務官と副学長令嬢(以上世俗性)の、重構造的な愛と結婚にまつわる、人をしてめくるめく紫苑色の世界に誘う幻想メールヒェン〈黄金の壺〉、夜の美女に鏡像を捧げてしまい、磨きあげられた煙草入れすら恐れながら、失われた鏡像を求めてさ迷う男の物語〈大晦日の夜の椿事〉、第一巻に続く音楽論的作品〈クライスレリアーナ〉に、附録として〈王女ブランディーナ〉等全五編。”(帯文)
目次:
VII 黄金の壺
VIII 大晦日の夜の椿事
IX クライスレリアーナ
附録1 犬のベルガンサの運命にまつわる最新情報
附録2 王女ブランディーナ
ホフマン論紹介
ユースト《E・T・A・ホフマンのメールヒェン小説における視線の導き》
フロイト《不気味さ》
作品解題