1984年 四六判 P332+索引P10 帯スレ、背少ヤケ、端少イタミ カバー少汚れ、端イタミ 天・小口・見返しヤケ、汚れ 巻頭・巻末各数十ページにかけて下端にゆるい折れ跡
“畑作文化の源流を探り、その風土を描く
カブ、ダイコン、ナスなどの日本在来野菜をめぐって、その渡来・伝播経路、品種分布と栽培のいきさつ等を古喜朗・伝承をもとに詳細に描き出し、各地の風土の中で無名の人々によって育てられてきた、生きた〈文化財〉としての野菜を見なおす”(帯文)
目次:
はしがき
【第一部 野菜品種の生い立ち】
第一章 山菜から野菜へ
一 野菜は必需品
二 北国の山菜
三 野菜と山菜との違い
四 食品としての野菜
第二章 野生植物と作物との違い
一 結実性の低下
二 タネの休眠性
三 タネの脱落性と散布性
四 利用部分の巨大化
五 食物としての条件
六 タネとりの必要性
第三章 タネとタネイモ(球根)の形成
一 タネの形成過程
{(1)タネとタネイモ/(2)花芽の形成(分化)/(3)授粉と受精/(4)種子と果実}
二 花芽分化をおこす条件
{(1)日長と花芽形成/(2)温度と花芽形成}
三 球根の形成と日長、温度
四 タネと球根の形成と植物の生活史
第四章 品種の成立
一 品種とは
二 品種は変化する
三 変異体の選抜
四 人為淘汰と在来品種の成立
五 一代雑種の利用
六 一代雜種の種子のとり方
【第二部 在来品種の特性と伝播経路】
第五章 カブの在来品種を訪ねて
一 温海カブの特性と来歴
{(1)カブの来歴/(2)温海カブの特徴/(3)温海カブの来歴/(4)温海カブに関する記録/(5)焼畑での栽培法/(6)温海カブの食べ方/(7)調査の輪をひろげて}
二 東北・北海道のカブ在来品種
{(1)山形県のカブ/(2)福島県のカブ/(3)秋田県のカブ/(4)岩手県のカブ/(5)青森県のカブ/(6)北海道のカブ}
三 関東地方のカブ在来品種
四 甲信越地方のカブ在来品種
{(1)山梨県のカブ/(2)長野県のカブ/(3)新潟県のカブ}
五 北陸地方のカブ在来品種
{(1)富山県のカブ/(2)石川県のカブ/(3)福井県のカブ}
六 東海地方のカブ在来品種
{(1)岐阜県のカブ}
七 近畿地方のカブ在来品種
{(1)滋賀県のカブ/(2)京都府のカブ/(3)大阪府のカブ/(4)奈良県のカブ/(5)兵庫県の自生カブ}
八 中国地方のカブ在来品種
九 四国・九州のカブ在来品種
{(1)四国のカブ/(2)九州のカブ}
一〇 カブの焼畑栽培とその歴史
{(1)焼畑カブ(カノカブ)の栽培法/(2)作物としてのカノカブ/(3)カブの焼畑裁培の歴史}
一一 日本のカブの特徴と特性の遺伝
{(1)和種系品種と洋種系品種/(2)種皮型とその遺伝/(3)その他の特性の遺伝}
一二 カブ品種の地理的分布
{(1)カブラ・ライン/(2)焼畑カブ(カノカブ)の栽培地域/(3)色カブの栽培地域/(4)根形の栽培地による違い}
一三 日本のカブの系譜
第六章 その他の野菜の品種分布と伝播経路
一 ツケナ在来品種の地理的分布
{(1)ツケナの仲間/(2)品種群と種皮型/(3)茎立菜と水掛菜の種皮型/(4)ツケナの種皮型の地域性/(5)A型種皮型のルーツは?}
二 タ力ナ在来品種の地理的分布
{(1)タカナの在来品種/(2)包種皮型と毛の有無の地域性}
三 ルタバガ(スウェーデンカブ)の裁培地域
{(1)センダイカブ(仙台蕪)}
四 ダイコン在来品種の地理的分布
{(1)南支大根と北支大根/(2)ダイコンの中の変りもの/(3)栽培地の耕土の状態と根形/(4)浜大根と野大根}
五 キュウリ在来品種の地理的分布
{(1)華南系品種と華北系品種/(2)シベリア・キュウリの栽培地域}
六 ナス在来品種の地理的分布
{(1)在来品種の早晚性/(2)果実の形の地域性}
七 マクワウリ在来品種の地理的分布
八 ネギ在来品種とヤグラネギ
九 ゴボウ在来品種とアザミバゴボウ
{(1)ゴボウの在来品種/(2)アザミバゴボウの栽培地}
一〇 ニンジン在来品種の地理的分布
第七章 品種伝播のしかたと野菜品種の分布
一 品種伝播のしかた
二 野菜在来品種の分布の状態
三 在来品種の分布の型
四 品種分布を左右するもの
第八章 わが国の野菜の渡来経路
一 薬用植物と帰化植物の作物化
二 いくつかの伝播経路
三 北朝鮮文化の日本への渡来
四 シベリアン・ルート
第九章 在来品種と在来農法の保存を
あとがき
索引