昭和48年 A5判 P289 函少イタミ、汚れ、背からページ端にかけてヤケ大 P157〜162折れ跡 巻頭数ページ上端時代シミ多
“この小著は、これまで「関西学院大学論功」、「同経済学部文学語論集」 および「同英米文学」に発表した論文のいくつかに、“Poetical Sketches”に関する未発表のいくつかの論文をあわせて、全体に趣旨が一貫するように大幅な加筆と変更を施したものである。
従来、William Blakeの抒情詩といえば、主として “Songs of Innocence and Experience”、が指され、“Poetical Sketches”は “Songs”の研究のための補助的役割しか与えられないか、そうでなければ、断片的に研究されるかにすぎなかった。
〈略〉
しかしBlake の折情詩について思索し、自らBlakeの抒情詩の世界に分け入ろうとすればするほど“Poetical sketches”が“Songs of Inncence and Experience”と深く結びついているのみならず、後者の中心思想が“Poetical Sketches”に既に準備されていることを知って、Blakeの抒情詩のより深い鑑賞のために、“Poetical Sketches”に収められた各詩を、彼の詩神の追究を中心に考察し、それの“Songs of Innocence and Experience”とのつながりをわたしなりにたどってみた。 この小著はその試みの批出い成果である。”(本書「まえがき」より)
目次:
まえがき
【第I部 Poetical Sketches における詩神】
序章
第一章 Odes における詩神
〔I〕光と愛 ―神話
〔II〕愛と創造のサイクル
第二章 Songsにおける愛の諸相
〔I〕Experience と Innocence の萌芽
〔II〕詩神 ―黒眼の少女
〔III〕記憶と経験
第三章 政治と愛の問題
〔I〕政治の原型
〔II〕集団内の感情の高場
〔IV〕宗教と国家の神話
〔V〕Organized Innocence の憧憬
【第II部 InnocenceとExperienceにおける詩神】
第一章 Innocenceへの道程
第二章 Innocenceの構造と諸相
第三章 父と母の問題
第四章 詩神と創造
第五章 Innocence Experience の対立
W. Blake小伝