昭和54年初版 四六判 P277、313 月報付 各巻函カバー少汚れ、背ヤケ 上巻函上部少イタミ 下巻月報上端折れ
【上巻】
“人工授精児アルラウネの滑稽と猥褻とグロテスク!
処刑された男の精液と、奇怪な人工授精の夢から、呪われた少女アルラウネは誕生した―怪奇小説の旗手エーヴェルスによる、ナチス胎動期の大ベストセラー!”(函カバー紹介文)
目次:
序曲
第一章 アルラウネなる思想がこの世に降って湧いた館の様を語るの章
第二章 アルラウネなる着想が如何にして浮んだかと物語るの章
第三章 フランク・ブラウンが枢密顧問官にアルラウネ製作を説得するの章
第四章 アルラウネの母となる女を如何なる方法で探し出したかを報ずるの章
第五章 アルラウネの父親に選ばれた男の素性、及び、彼女が生まれたとき両親のうえに死の運命が下された顛末を伝えるの章
第一間奏曲
第六章 アルラウネが如何にして成長していったかを物語るの章
第七章―アルラウネの少女時代の出来事を伝えるの章
第八章 アルラウネが如何にしてブリンケン邸の女主人になったかを述べるの章
月報:
ドイツ怪奇小説を読みながら(平田達治)/書替怪談稿史《くりかえすよみぢのさうし》 江戸時代の怪異譚―幻想文学の余白に(1)(須永朝彦)
【下巻】
“表現主義からナチズムへ、風雲の時代の大ベストセラー!
太古に遡る奇怪な幻想マンドラゴラ伝説の現代的復活を夢みたエーヴェルスによる、滑稽と猥褻とグロテスク溢れる一九一〇年代ドイツ怪奇小説の極北!”(函カバー紹介文)
目次:
第九章 アルラウネの恋人となった男たち、及び、彼らの運命について語るの章
第十章 アルラウネのために、ヴォルフ・ゴントラムが身を滅ぼす様を描くの章
第十一章 枢密顧問官がアルラウネの手にかかって如何なる最期を遂げるかを再現するの章
第二間奏曲
第十二章 フランク・ブラウンが如何にしてアルラウネの世界に足を踏み入れたかを伝えるの章
第十三章 ヴォルコンスキー侯爵夫人がアルラウネに真相を打ち明けるに至った経過を語るの章
第十四章 フランク・ブラウンの火遊びとアルラウネの目ざめを誌すの章
第十五章 庭園におけるアルラウネの生活ぶりを語るの章
第十六章 アルラウネの最期を告知するの章
終曲
エーヴェルスとその時代(平田達治)
月報:
こうしてドイツ怪奇映画は始まった(前川道介)/H・H・エーヴェルスと映画(平井正)/欲望の言語、欲望の幻想 幻想文学の余白に(2)(篠田知和基)