昭和51年 四六判 P406+索引P17 カバースレ、時代シミ、端イタミ 小口少ヤケ、天時代シミ 巻頭数ページ下角裁断ミスによる僅折れ跡
“この本は、神話に関する次のような広範かつ相互に結びついた一連の諸問題と取りくもうとする試みである。それらの問題とは、一方では神話と昔話との関係、他方では神話と儀礼との関係。構造主義神話理論の有効性と射程。神話の諸機能がいかなるものでありうるかの範囲。社会制度と文字の発達による影響。古代近東神話の特徴と意味、およびそのギリシアへの影響力。ギリシア神話のとった特殊形態および合理的思考様式との関わり。無意識の表現としての、夢に近いものとしての、普遍的象徴としての、あるいは本来語りの目的をもったものの偶発的発生としての神話の地位、などである。”(本書「まえがき」より)
目次:
著者まえがき
略語
第一章 神話・儀礼・昔話
第一節 序節
第二節 神話宗教・儀礼
第三節 神話と昔話の関係
第二章 レヴィ=ストロースと構造的アプローチ
第一節 理論の概要
第二節 比較的単純な一例 ―アスディワル物語
第三節 南米の資料
第四節 ジェリグィアグィアトゥゴの神話
第五節 望ましい若干の修正
第六節 構造的アプローチの限界
第三章 古代メソポタミ ア神話の本性
第一節 序論
第二節 灌漑と豊饒
第三節 三つの冥界神話
第四節 スメール神話の本性
第五節 アッカド神話
第四章 自然と文化
第一節 ギルガメシュ
第二節 ケンタウロス
第三節 キュクロペス
第五章 ギリシア神話の特質
第一節 諸神話のテーマの単純さ
第二節 伝襲的構造に底在する基礎的諸関心
第三節 ゲルマン、エジプトおよびヒンドゥー神話との比較
第四節 西オリエントの神話 ―フリのクマルビとギリシアのクロノス
第五節 西オリエントの神話 ―ヒッタイトとカナーンの神話
第六節 ギリシア神話とオリエント神話 ―総括
第七節 ヘシオドスにおける神話的思弁
第八節 神話的思考と合理的思考
第六章 説話・夢・象徴 ―より十分な神話理解へ
第一節 諸機能の類型
第二節 神話的表現の諸理論 ―カッシーラー他
第三節 空想と夢
第四節 祖型と象徴
第五節 起源の可能性
原注
あとがき(大林太良)
素引