昭和27年初版 A5判 P372 全体に経年によるヤケ、汚れ、イタミ
昭和20年代に文部省迷信調査協議会が全都道府県を対象に行った調査に基づく論集。『日本の俗信』と題して全3巻が刊行されたうち、本書は第2巻にあたる。
“お化けは果して出るか?河童はいまでもいるか?おみくじや占いは当るものか?胎毒下しの正体は? 鬼門・家相・卜占・呪術等の資料に基きその権威者が納涼風に書いた好読物。”(宣伝文)
旧字新かな遣い
目次:
まえがき
第一章 総論
一 俗信と迷信(長谷部言人)
二 迷信の定義をめぐって(日野壽一) {一 迷信の定義/二 迷信の時代性/三 迷信の価値判断/四 迷信と信仰/五 迷信心理}
三 文化遺産と迷信(今野圓助) {一 生活慣習・民俗・俗信・迷信の各段階/二 昔風な暮し方はすなわち迷信ではない/三 迷信論者と科学主義者及びその他の主張/四 今までの迷信論/五 信仰・宗教と迷信/六 迷信の学問上の定義/七 社会問題としての迷信/八 お助け爺さんと近代医学療法/九 妖怪研究から人間研究へ/一〇 自然科学以上と以下}
四 迷信を支えるもの―農村を中心として―(森秀男)
五 迷信をどう考えるか(座談会)
第二章 各論
一 爪を切って火にくべると気ちがいになる(日野壽一)
二 食い合わせ
三 満潮のとき人が生れ、干潮のとき人が死ぬ(赤松金芳)
四 災難よけの守札(古畑正秋)
五 牛のいない村(森秀男)
六 虚空蔵菩薩とウナギ(日野壽一)
七 病気と神仏(長谷部言人) {一 病気の種類/二 神仏の種類/三 個々の病気の種類と神仏の種類との関係/四 まじないの方法}
八 迷信に対する科学の範囲(古畑正秋)
九 迷信による殺人鑑定例(笠松章) {犯罪事実/検診記録/精神医学的考察/鑑定主文}
一〇 妖怪資料(その二)(今野圓助) {一 憑きもの種目/二 各地の妖怪報告資料/三 河童の名称とその分布地名}
第三章 結婚・妊娠に関する迷信の解明(日野壽一)
{一 妊婦が兔を食べると兔唇の児が生れる/二 妊婦のある家で竈を築いたり修理したりすると三ツ口の児が生れる/三 妊婦が二股大根をたべると双児が生れる/四 妊婦が火事を見ると赤痣の児が生れる/五 妊婦に対する教訓的禁止/六 妊婦に関する迷信の起源/七 胎教/八 胎児が男か女かの予知/九 安産のお守り/一〇 戌の日の箸帯/一一 満潮に人が生れ干潮に人が死ぬ/一二 結婚に関する迷信と縁喜}
第四章 附録
新聞資料 {社説/署名論考/新聞記事/投書}
放送劇『迷信退治』(作:落合聰三郎)