2000年　菊判　P584＋索引P5　函少汚れ、少イタミ、背僅ヤケ

沖縄の祭祀や民間信仰を長年研究してきた著者の論考を集める。

目次：
口絵
まえがき

第一章　久高島・イザイホー
　一　南島の聖域とイザイホー　｛一　琉球弧と歴史／二　南島の聖域空間／三　ニライと御嶽／四　瑞嶽と斎場の御新下り／五　蒲葵島の司子／六　女の祭りイザイホー｝
　二　イザイホー見聞録　｛一　神の島の方位／二　イザイホー回想｝
　三　イザイホーの学問的意義　―古代的な厳粛な祭事―
　四　日本文学発生史と沖縄の呪禱文学　―久高島のイザイホーのティルル考―　　｛一　まえおき／二　イザイホーのティルル／三　ティルルとイザイホー儀礼の成立と構造｝
　五　イザイホーを位置づける民俗概観　｛一　イザイホー祭祀成立の社会的条件／二　イザイホー語源孝／三　イザイホーと呪詞／四　久高島の年中行事｝
　六　イザイホーの神歌　｛一　久高島とイザイホー／二　久高島のティルルとウムイ／三　「イザイホーのティルル」と乙兼神／四　ニブトゥイ神のティルルと桶廻りのティルル｝
　七　久高島のハンジャナシーのアーラシヘー
　八　沖縄の祭祀と世界観　―久高島の事例を通して―
　九　久高島と神事　―御新下りとイザイホーを中心に―　｛一　兄妹始祖と太陽神信仰の島／二　斎場御嶽の御新下りと久高島の祝女／三　久高島の年中行事と加入儀礼／四　イザイホー神事／五　「エーファイ考」｝
付録一　信仰　―久高島とイザイホー―
付録二　久高島資料解題

第二章　年中祭祀
　一　西表島古見むらのプール　―黒マタ・白マタ・赤マタの祭祀―　｛一　古見へ／二　ユッカ・プールのアカマタ／三　ウムトゥ・ユンク｝
　二　南島の訪問者儀礼と仮面信仰　―八重山のマユンガナシと赤マタ・黒マタ―　｛一　南の島々の訪問者と仮面／二　裏石垣のマユンガナシ儀礼地帯／三　西表島東部の赤マタ・黒マタ｝
　三　糸満の年中行事
　四　八重山川平村の村落構造と年中行事　｛序／一　上の村と下の村／二　元の大親とパイティ／三　トゥニ元とトゥニ二人衆／四　オンと神元とバカーラパカーラ／五　川平の御嶽とパカーラの構造と分布／六　雨願いとアーミングイ（雨乞い）｝
　五　伊是名、津堅、宮古の島々から　｛一　伊是名島ウマチー／二　津堅島のマータンコー／三　結び｝
　六　祭祀・年中行事の位相　｛一　年中行事のサイクルと吉日撰び／二　南島の季節祭／三　南島の仮面信仰と年中行事｝
　七　南島民俗の諸相　｛一　黒潮綾潮の島・沖縄／二　南島の古代小説／三　南島の竜蛇信仰／四　記紀と南島の民俗｝
付録　沖縄の呪禱文学　―八重山川平村の「マユンガナシの神口」考―

第三章　民間信仰
　一　沖縄の民間信仰　｛はしがき／一　沖縄の民間信仰と中国文化／二　琉球伝承文化圏　―奄美・沖縄ゾーンと先島ゾーン／三　盆と正月と家庭祭祀／四　生産儀礼と村の祭り｝
　二　沖縄の原始神道
　三　沖縄の民俗方位と他界観　｛一　東大主とにるや大主／二　南島畏怖と東方崇拝／三　南島の他界観｝
　四　南島の自然崇拝と伝承　｛一　自然崇拝と呪物崇拝／二　南島の樹木崇拝と岩石崇拝／三　グスクの原像｝
　五　沖縄の古代祭祀と他界観　｛一　「おぼつ」と「にるや」／二　海の神と山の神／三　グスクと石神｝
　六　太陽信仰の島
付録一　日本上代文学と沖縄の伝承社会
付録二　おもろ地名考補遺　―船越とウフジチューの話―

第四章　御嶽祭祀と伝承
　一 「藪薩の浦原」考
　二　沖縄の御嶽と伝承　｛はじめに／一　琉球七御嶽と斎場御嶽／二　玉城アマツヅと白米城伝説／三　中国の媽祖信仰とおなり神／四　兄妹始祖伝説と御嶽／五　南島の竜蛇信仰と御嶽｝
　三　斎場御嶽の祭祀と伝承
　四　東御廻り　｛一　東御廻りの概要／二　玉城村字船越の上湧上バラ（門中）の巡拝習俗／三　玉城村字富さとの世礼腹門中の神拝み｝
付録　知念間切と聞得大君

第五章　エッセイ・他
　一　波上宮の由来　｛一　波上宮鎮座由来と鎮座地／二　社名および社格｝
　二　沖縄の民衆意識と門中制度　｛はじめに／一　村落共同体／二　本土・奄美の親族用語／三　先島の親族用語／四　沖縄本島の親族用語／五　地方における町方文化の受容／六　葬制墓制と門中／七　王府の支配体制と門中／八　近代化と村落組織／おわりに｝
　三　民俗エッセイ
　四　父聾人の思い出

あとがき
初出一覧
索引