1999年初版　四六判　P275　カバー少スレ、僅キズ、背少ヤケ　本体表紙上端僅凹み

“人は死ねば自然に還るという死生観の日本に、なぜミイラ信仰が生まれたのか。それが近世の出羽湯殿山に集中するのはなぜか。
特異な信仰の系譜をたどり、その深層に秘められた意味を解明する日本即身仏研究の集大成。”（宣伝文）

目次：
序章　即身仏とミイラ
　｛ミイラとは何か／世界各地の人工ミイラ｝
第一章　平安時代の即身仏と空海入定伝説
　｛焼身往生／入水往生／平安時代の初期即身仏／空海入定伝説／成尋と中国の肉身仏｝
第二章　中国古代の化学と高野山の水銀
　｛道教と神仙道／尸解仙とミイラ／煉丹術渡来の可能性／奥州藤原氏のミイラ／高野山の水銀／空海と煉丹術／補注・煉丹術のコスモロジー｝
第三章　近世の土中入定伝説と即身仏
　｛湯殿山即身仏と一世行人／近世の舎利信仰／土中入定伝説と各地の即身仏／淳海上人の地上入定型即身仏／即身仏の伝播ルート｝
第四章　湯殿山即身仏信仰を生みだしたもの
　｛飢饉と重税／地獄の大飢饉／体制を超える思想／鉄門海上人伝説／衆生救済の思想／鉄龍海上人即身仏の高度なミイラづくり／解剖的ミイラ処理を施したものは誰か｝
第五章　羽黒山と湯殿山
　｛争いの原因／一世行人入定の図／羽黒山と湯殿山の抗争／廃仏毀釈の衝撃／仏海上人の入定墓／湯殿山の一世行人／即身仏信仰と土中入定の思想｝
第六章　武士殺し伝説と隠された一揆
　｛武士殺し伝説への疑問／鉄門海上人の武士殺し伝説／隠された民衆史／即身仏の武士殺し伝説｝

注
日本即身仏関連年表
日本即身仏所在一覧
あとがき