平成11年初版 文庫判 P345 帯付 カバー背少ヤケ
“アイルランドの代表的詩人イェイツ(1865〜1939)はケルト的幻想と神秘的精神世界を優美に歌いつづけ、のちに世紀最大の英詩人とまで評された。本書は彼の代表的詩集『薔薇』から晩年の『最後の詩集』まで12の詩集からの詩を収めた保存版復刻詩集である。”(カバー裏紹介文)
目次:
訳者 序文
『十字路』より {落葉/蜉蝣/神を語る/恋人に与う/上衣と舟と靴/攫われた子/湖上の小島へ/柳の苑生/老漁夫の瞑想/狐狩人の唄}
『薔薇』より {イニスフリー湖島/子守唄/恋の憐れ/恋の哀傷/君老いたる時/白鳥/神父ギリガンの唄/炉辺にて語らった或る人に}
『葦間の風』 {妖精合衆/永劫の声/恋人、己が心の薔薇に就いて語る/空の妖精群/魚/鎮め難い妖精群/黄昏のなかへ/さまよえるイーンガスの歌/老いし母のうた/女のこころ/恋人、恋の喪失を嘆く/己と恋人との変化を哭き、世の終焉を希う/愛人に平和にあれと言う/忘却された美を思い出す/詩人、恋人にあたう/己の恋人に詩を贈る/怖れを抱かざれと、己が心に/道化帽子/黒豚峡谷/己のあまたなる情緒の故に赦しを乞う/恋人のあまた居る谿を語る/完き美を語る/鷹の哭きを聴く/己の愛人を悪しざまに言った人達を思う/祝福せられた者/秘められし薔薇/静乙女/受難苦/旧友のために己が友に訴える/将来の己が歌の聴者に語る/詩人、四大に祈願す/恋人の死を希う/天つごろもをもとむ/星宿の一部たりし己が既往の雄偉を偲ぶ/ドウネィの胡弓弾き}
『七つの森にて」より {レッド・ハンラハンが愛蘭の歌/水の面のみずからを頌うる老人たち/智は時と共に来る}
『緑の兜、其他の詩』より {酒の唄/叡智は時と共に来る/我が新しき大学の字生が猥褻文学撲滅の運動に加わったことを聞いて}
『責任』より {現実主義者/上衣}
『クール湖の白鳥』より {クール湖の白鳥/野うさぎの鎖骨/若き乙女に/黎明/おもいで/かたき誓い/カイル・ナ・ノウの栗鼠に/戦争詩を求められて/猫と月}
『マイケルロバアツと舞姫」より {マイケルロバアツと舞姫/復活祭、一九一六年/薔薇/再来/わが娘のための祈り/戦争中の瞑想/刻銘}
『塔』より {ビザンティウムへ船出して/塔/わが家/輪/青春と老齢/レダと白鳥/学童に交って/路傍の阿呆}
『廻り階段、その他の詩』より {二人の女性/死/自我と霊との対話/血と月/象徴/十九世紀と其後/クール荘園、一九二九年/クール荘園とバリィリイ、一九三一年/ビザンティウム/動揺}
『楽とならましの言葉』より {クレイジー・ジェーンと司教/いましめられたクレイジー・ジェーン/最後の審判の日のクレイジー・ジェーン/クレイジー・ジェーンと職人ジャック/神を語るクレイジー・ジェーン/司教と語るクレイジー・ジェーン/老いたるクレイジー・ジェーン 踊る男女を見る/乙女のうた/女の不安/三つのもの/眠りへ誘う歌/永き沈黙の後/霧や雪の如く狂って}
『若く且つ老いたる女』より {わかれ/出会い}
『三月の満月抄』より {教権と政権/リブは基督教の愛に不満をいだく/人間の四季/目孔/迷廬}
『最後の詩集』より {環《ジャイアー》/瑠璃/七十歲(日本の詩調に真似て)/美しい踊子/三本の薔薇/女の第一のうた/女の第二のうた/女の第三のうた/恋人のうた/待女の第一のうた/侍女の第二のうた/一エーカーの草地/かの影像/蚊のうば/青銅の頭像/まぼろし/老人はなぜ気が狂れてはならぬか/政治家休業日/興行団の生きものの逃走/政治/人と谺/バルベン山の麓にて/ハルン・アル・ラシッドの贈与}
イェイツと語る
イェイツ詩集註及び原詩名
日本におけるイェイツという表象(鶴岡真弓)