2018年 A5判 ソフトカバー P254 帯付
“大アルカナ全体で、どのような物語になっているのか? 登場するキャラクターたちは、なぜその面々なのか? その面々で何を物語っているおか? なぜ、この順番に並んでいるのか?
誰も迫れなかったこれらの謎を解きあかす!
目からウロコのタロット解釈! タロット初心者、スピリチュアリスト、占い師……必見!”(帯文)
“ほとんどのタロット本は、カードの相互関連性については目もくれない。謎に満ちた寓意画の集合体であるタロットが、全体でなにを寓意しているのかについても触れようとしない。
全体を繋ぐ糸がなく、「木を見て森を見ず」なのだ。
タロットは一枚一枚が深い寓意画として描かれているのはもちろん、カードが相互に関連しあい、意味を補完しあうようになっており、さらにそれら全体である種の「物語の構造」が暗示されている。……本書はじめにより”(カバー袖紹介文)
目次:
大アルカナー覧
タロット人生劇場
はじめに
【第1章 なぜ、マルセイユ・タロットなのか】
大アルカナ
小アルカナ
本書はマルセイユ版を解読する
マルセイユ版は哲学的知育玩具
78対22の法則
タロットと本書を読み解く鍵
【第2章 大アルカナを読み解いてみよう】
愚者 {光を放つ怪しい袋/道化とお太鼓持ち/道化の持権/愚者と犬/王子様のドM生活/旅する車寅次郎/道化の脚衣/現代の道化/チェックメイト}
I 奇術師 {旅する道化が町に着くと/魔法と手品と超魔術/ 1は神/少年は魔法使い/二つのサイコロ/運命の輪との共通点/机の脚が三本}
II 女教皇 {女の教皇などいない/神の母にして永遠の処女/女教皇はメイド・ロボ/誰のものでもない偶像/物語を紡ぐ者/お姫様は怖い女/タロットの奥義伝授/ジョヴァンナ伝説/信仰と謎と無知/奥義を見つけし者に祝福を}
III 女帝 {1+2=3/王権の証レガリア三点セット/鷲の盾/土の翼/平安時代の奇品と女教皇}
IV 皇帝 {王の傍らには道化がいる/王は横顔で描かれる/定規を持つ皇帝/4は立ち上がる数/一本足で立ち続ける代理王/受精卵/奇術師の股下のナニか}
V 教皇 {教会と寺子屋/差別の始まり/天国の門の鍵を持つ者/千年前から今も続聖ヨハネ騎士修道会/富と名誉か、永遠の命か/日本昔話『三枚のお札』}
VI 恋人 {変なタイトル/なぜ三人いるのか/リリスとエバ/性器はインターフェース}
VII 戦車 {労働の始まり/ベン・ハーの戦車競走/四方の柱と三角の屋根/家には表札がある/三組の夫婦/二頭立て馬車と魂の三部分説}
VIII 正義 {権力の座についた者/正義の女神は売春婦/閉ざされた神殿の門/柱の高さがちがう訳/真正面を見ているキャラクター/ 4の倍数は王}
VIIII 隠者 {隠者の語源/魔法使いの側面/周縁の番人/誰と会っているのか/シノベのディオゲネス/鐘を鳴らすと皆が道をあける/老人と少女/川端康成の『眠れる美女』/女の性感は男の十倍と言った預言者}
X 運命の輪 {悪魔の車輪/遊園地は回りものばかり/後生車が逆に廻ると地獄に落ちる/悪魔の車とロバの車/居場所をなくし阿呆船に乗って}
XI 力 {女子レスラーは恋愛禁止/二つあってこそのカ/顔ハメ看板/赤マントの理由/チャンピオンの帽子と王冠/獣と戦うための腕甲/ムツゴロウさんは犬の口をこじ開けると/無限の力は二つある/ウエイト版の8と11の交換}
XII 振り子 {「吊された男」はなぜ男なのか/12は時の数/イスカリオテのユダ/時間と身体/予宮で眠る胎児/幽体離脱や臨死体験の富意/カバラの星をタロットで解読}
XIII (無題) {なぜ無題なのか/農夫と皇帝/死と税金からは逃れられない/道化恐怖症/畑で一本足で立っているもの/ここより魅感艇闘界/お遍路さんというシステム}
XIIII 節制 {欲望に制限をかけること/子供のころ練習したあの動作/濁った水をきれいにするには/死の天使と奪衣婆/四人の大天使}
XV 悪魔 {山羊ではない、鹿だ/夜に全裸で/コウモリの翼/悪魔は冷たく乾いている/悪魔は死なない/デーモンとペンギン/折れた剣の端を握って/逃げないのか、 逃げられないのか/悪魔は正直者}
XVI 神の家 {はしごを天使が上り降り/神の家は病院/監獄建築パノプティコン/塔あるところに戦いあり/有名になりたあい!/三つ窓の塔と聖女バルバラ伝説/浮遊する丸いつぶ/雷は神の権能/平方根と平方数}
XVII 星 {髪は切ってもまた生える/裸の娘の雨乞い儀式/天の時間と地の時間/コンパスマークと星の海/星はなんでも知っている/金星・シリウス・北極星/二つのものが一つに見える/渡り鳥とパンスペルミア仮説}
XVIII 月 {夜の女王/月と犬と女と/月とザリガニは何度でも蘇る/分割統治/雫の意味するもの/地球の生き物は月に食われる/星の河は月の池に流れ込む}
XVIIII 太陽 {太陽が放射する二つのカ/奇術師と運命の輪と太陽/双子の一人はいなくなる/人類初の殺人/俺の市壁を跳びこすやつは殺す/ギリシア神話の双子たち/グレートツインズとメトン周期/18番の月の正体/素数のカード}
XX 審判 {開かれる墓/閉じたり開いたりする場所/墓と本/閉じられる墓/エレウシスの秘儀/『黄金の駿馬』と幽体離脱}
XXI 世界 {四聖獣とスピンクス/四聖獣と黄道十二宮/四大元素と色/虹のゲート/バトンとネックレス/第五元素/般若心経/患者は虚虚数/ダライ・ラマの亡命と吉祥布}
【第3章 タロットと物語】
『出エジプト記』と大アルカナの照応 {1〜4章 モーセ誕生/5〜11章 ファラオとの交渉/12章(振り子)エホバ、大虐殺と敢行/13章(無題) 出エジプト/14章(節制) モーセ、海を割る/15章(悪魔) 民が主を崇拝する/16章(神の家) エホバ、マナを降らす/17章(星) モーセ、水を湧かせる/18章(月) エトロ、モーセに民の管理法を教える/19章(太陽) モーセ、主と対面する/20章(審判) モーセ、 十戒を授かる/21章(世界) エホバ、法を敷く}
ホロコースト(『夜と霧」) {11番(力) 秘密警察が捕まえに来る/12番(振り子・逆位置) 列車で立ったまま揺られて/13番(無題) 選別人が生か死を決める/14番(節制) シャワールームで洗浄/15番(悪魔) 悪魔の家の強制労働/16番(神の家) ガスかまどからの救出/17番(星) 飢餓からの回復/18番(月) 日常が戻ってきた/19番(太陽) 蛮行は白日の下へ/20番(裁判) 裁かれる元ナチス/21番(世界) 物語の完成}
「ヨハネによる福音書」 と大アルカナの照応 {1章(奇術師) イエス、ペトロを弟子にする/2章(女教皇) イエス、母に悪態をつく/3章(女帝) イエス、人々に洗礼をさずける/4章(皇帝) イエス、俺がメシアだと名乗る/5章(教皇) イエス、俺は神の子だと名乗る/6章(恋人) イエス、俺を信じるかと人々に問う/7章(戦車) イエス、 働け/8章(正義) イエス、裁かない名裁きをする/9章(隠者) イエス、盲人の目を治す/10章(運命の輪) イエス、元の場所に戻る/11章(力) イエス、死者を生き返らせ虎の尾を踏む/12章(振り子) イエス、葬りの日が近いことを告げる/13章(無題) イエス、ユダを切る/14章(節制) イエス、父の家に里帰りすると言う/15章 (悪魔) イエス、自分につながっているように言う/16章(神の家) イエス、弟子たちに試練を予告する/17章(星) イエス、天に祈る/18章(月) イエス、逮捕される/19章(太陽) イエス、日干しになる/20章(審判) イエス、復活し墓から出る/21章(世界) イエス、ペトロを教皇に任命する}
輪廻転生の車輪 {死のプロセス/臨死体験や幽体離脱のプロセス/お葬式のプロセス/器作りのプロセス/再生のプロセス/片足立ちのサイン/あれでもなければこれでもねえ}
あとがき