ミシェル・フーコー文学論集2 幻想の図書館 ミシェル・フーコー 訳:工藤庸子 哲学書房

1991年初版 A5判 P143 帯およびカバー少スレ、少汚れ、少イタミ

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1991年初版 A5判 P143 帯およびカバー少スレ、少汚れ、少イタミ

“図書館は、火につつまれている”(帯文)

フローベールが3度書き改め、30年の歳月を費やして完成した小説『聖アントワーヌの誘惑』について、「荒々しい力、幻想過剰《ファンタスマゴリー》、妄想、悪夢、おどけ者たちのぎっしりつまった一大貯蔵庫」、「解き放たれた夢想の慣例集《プロトコール》」、「綿密周到なる知のモニュメント」、あるいは「いくつもの書物の虚構がたわむれる場としての書物」といった形容で位置づけ、解釈を試みる。

“『誘惑』は、たんにフローベールが長いあいだ書くことを夢みてきた書物というだけではない、それは、ほかの書物たちの夢なのだ。夢みつつ、夢に見られるほかの書物たちのすべて―作家の夢想によってとりあげられ、断片にされ、移しかえられ、結びつけられ、隔てられたそれらの書物たちは、同じく夢想によってよせ集められる、そうしてついに想像の世界できらめきながら、願望が成就されるのだ。このことがあってのちはじめて、マラルメの〈書物〉が可能になる。それからジョイスが、ルーセルが、カフカが、パウンドが、ボルヘスが、とつづく。図書館は、火につつまれている。”(本文より)

後半部には訳者による論考「幻想の図書館をめぐって―フロベール、ジョイス、ボルヘス」(工藤庸子)を収録。
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