昭和50年 A5判 P215 帯背ヤケ カバー少ヤケ、少スレ、端イタミ 天少汚れ
“日本独自の製鉄法があったか たたら以前の製鉄とは何か 謎をとくカギ「鳴石《なるわ》」とは何か 古代鉄の分析 鉄と弥生土器 たたら以前の製鉄地の発見 「風土記」・「延喜式」と鉄の神々 渡来人と鉄など
知られざる古代の製鉄を解明!
付篇に古代の宮都と飲料水の盲点をつく「難波宮とみもひ」”(帯文)
目次:
序章
一 鉄滓の発見
{・最古の出土鉄器 ・国産か外国産か ・鉄滓の発見}
二 原始製鉄 ―「たたら以前の製鉄」
{・弥生時代の原鉱 ・貨泉の発見 ・文献に見える製鉄法 ・鉄抽出の熱量 ・可鍛鉄とは何か ・鉄の還元と土器の焼成}
三 日本製鉄の起原
{・豊かな砂鉄 ・たたら以前}
四 謎をとくマンガンとチタン
{・竜田山出土の鉄滓分析 ・筑前・生松原・新町出土鉄滓の分析 ・筑前・平田出土鉄滓の出土鉄滓の分析 ・出土鉄滓の年代 ・チタンと砂鉄 ・マンガンと砂鉄}
五 鋳鉄と鍛鉄
{・意田山発見の鉄塊 ・鎔鉄を受溜する二つの方法 ・古代人の鉄知識 ・竜田山の舞 ・現代式の鎔鉱炉法 ・たたら以前の製鉄の成立}
六 金山神の製鉄と風神
{・金山彦・金山の誕生 ・銀山神社と銀鉱 ・金屋子神社と屋内製鉄法 ・製鉄に不可欠な風神 ・竜田神社と風神降臨伝説 ・本宮趾は風神祭祀地か}
七 竜田山の支配者
{・製鉄神の鎮座地 ・聖地としてのかねふき山 ・畿内最古の製鉄潰跡 ・竜田山の製鉄集団 ・竜田神社と御座峰からみた国境の制定 ・河内国大県郡を領有した豪族 ・古墳時代の産鉄}
八 「ひとよ」の製鉄量
{・「ひとよ」 ということ ・復元したたたら炉による製鉄 ・高保木のたたら炉発掘 ・溶鉄受溜の容器 ・「ひとよ」の製鉄量}
九 鉄廷と禄物価法
{・壱岐から出た鉄製品 ・古墳時代の鉄製品 ・奈良時代の産鉄国 ・令の中の鉄製品 ・禄物価法による貢納鉄 ・大宝の賦役令}
一〇 「鉄」に関係ある神社
{・鉄を祀る神社 ・河内の佐備神社 ・威古佐備神社 ・三碓の添御県坐神社 ・三碓の由来 ・三碓という石の用い方 ・権の頭長者 ・三碓とは何か ・製鉄を行なった首長 ・鳴石とは何か ・鳴石の元素の分析 ・鳴石と鉄バクテリヤ ・一〇〇〇口の剣 ・玉田山頂の踏査}
一一 播磨国と製鉄の神がみ
{・国占め争いをする神がみ ・争う三神と砂鉄 ・揖保とは何か ・食事が示す土地先占め ・杖を立てること ・土地先占めの意志表示 ・播磨の砂鉄の産地 ・金箭川 ・佐比岡 ・敷草村 ・銅鐸と水稲耕作 ・出雲系の神がみ ・粟禾郡の鉄 ・製鉄の神「イダテ」 ・船山古墳出土の直刀 ・漢人の製鉄工人 ・イダテとよむ神社 ・肥後の船山刀銘 ・製鉄の神「兵主神」 ・兵主神の分布 ・シコヲ勢力とヒボコ勢力の争いと砂鉄 ・兵主神とは ・製鉄の神「天目一命 ・伊和の里の遺称地 ・日女道丘の遺称地 ・砂鉄の国、播磨}
一二 半島から日本への渡来
{・半島の旧石器時代 ・新石器時代 ・中国大陸からの民族の移動 ・倭国への渡来 ・朝鮮の建国 ・武帝の漢四郡設置 ・朝鮮土器の研究 ・古朝鮮時代 ・半島から日本へのルート ・渡来した半島の民衆 ・弥生前期初頭の鉄製品 ・はきだめの中に建国した国}
終章
{・たたら以前の製鉄法 ・鉄製品所有と社会的地位 ・弥生遺跡の鉄滓散布地 ・古代鉄の二種類 ・私の試論 ・東アジアにおける民族の移動}
【難波宮と「みもひ」】
序章
一 上町台地の皇居
{水の都 ・高津宮 ・太陽宮 ・吉田東伍説}
二 「みず」と「もひ」
{・「もひ」ということ ・容器を示す「もひ」 ・井戸の出現 ・大宝律令の飲み水}
三 高津宮の位置と台地の水事情
{・上町台地の周辺 ・昭和一二年の発掘 ・難波宮址の発掘 ・台地上の古墳 ・縄文・弥生人の飲用水 ・問題の高津宮 ・「みもひ」の運搬伝説}
四 免寸河と殿来連
{・「みもひ」運搬伝説 ・「免寸河」をどうよむか ・免寸河は富木にあたるか ・私の考え ・免寸河の西に 巨木伝説と八世紀頃の流行語}
五 淡路島の「御井の宮」と「瑞井」
{・水運搬船「枯野」の伝説 ・淡道島の寒泉 ・淡道の御井宮 ・応神天皇の東遷 ・「瑞井」とよぶ井戸 ・最古の刳抜井筒}
六 「駒手の御井」と「垂水の水」
{・駒手の御井 ・明石から高津宮にいたる海路 ・枯野号の運搬コース ・「みもひ」運搬伝説の出典 ・豊碕神社}
七 難波宮と野島(沼島)の海人
{・平城遷都と飲料水の不足 ・難波宮の「みもひ」 ・野島の海人 ・あずみ族}
終章