記夢志　島尾敏雄　冥草舎

1973年　Ａ５変型判（ページ部分14.8×19.7）　P150　帯および函角スレ、背ヤケ　本体背ヤケ大　巻頭および巻末時代シミ　裏遊び紙少剥がし跡

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1973年　Ａ５変型判（ページ部分14.8×19.7）　P150　帯および函角スレ、背ヤケ　本体背ヤケ大　巻頭および巻末時代シミ　裏遊び紙少剥がし跡

島尾敏雄が自身の夢を書き留めたノートを単行本化。

“日常と反日常の想念が往来する　夢の中でのまどろみと崩れは　あとさきが余りにも　不確かで頼りなく　怖れと希求を刻みこむ文字は　朝の白い息にも似て　途切れがちな薄命の世界をただよう”（帯文）

“夢はもはや、私にとっては、生活のかなりの部分に食い入ってしまっていると言えるのです。時がたてば、眼覚めていた時の経験と、夢の中の経験を、どちらがどう、と区別することが余計なことのようにさえ思えます。夢は無責任なものじゃないかと言われそうな気がしますが、私は必ずしもそうとは思えない。夢の中の経験の、あの、でたらめさと、冷たさと、そしてその場限りの気品のようなものは、実は、眼覚めている時の、秩序と、熱っぽさと、因縁ごとを、批判しているのだと、私には思われて仕方がありません。私は夢を追い出したくないのです。”（帯裏紹介文）