2001年 11.0×16.0 P327 帯背ヤケ大 カバー少背ヤケ
“陰陽道を語るときこの本は欠かせない
古代中国思想に密教を取り入れ、科学から呪術的宗教へと日本化した陰陽道の世界。通史入門の決定版!”(帯文)
“世界で唯一元号を採用し、婚姻の相性や暦の本による日常行事の吉凶など、長い歴史のなかで、日本的伝統としてわれわれの日常生活に融け込んできた陰陽道。
為政者たちはこれをいかに利用してきたのか。われわれはこれをいかに縁としてきたのか。陰陽道の発生から現代に至る残影までを、平易に、克明に説いた通史入門の決定版。”(カバー裏紹介文)
目次:
第一章 陰陽道の起源と日本への伝来
{陰陽道の発生/中国古代の君主と革命思想/後漢の陰陽家方術士たち/後漢以降の陰陽道の新展開/陰陽道の日本伝来と聖徳太子の政治的受容/飛鳥時代の陰陽道的諸信仰/人名と星の信仰}
第二章 祥瑞と災異
{律令制の理念と陰陽道/天武天皇と陰陽寮官制/白鳳奈良朝期の祥瑞と改元/平安初期における災異思想の横行/災異改元の流行/院政ならびに幕政下の改元/元号に選ばれた文字}
第三章 神仙と冥府
{中国の二大思想・信仰/泰山と蓬莱山/西嶽真人と西王母/冥府冥官の信仰/『日本霊異記』に見えた冥土観(その一)/『日本霊異記』に見えた冥土観(その二)/『日本霊異記』に見えた冥土観(その三)/『日本霊異記』にみえた冥土観(その四)/泰山府君の祭りと都状/吉野金峯山地方の神仙郷/神仙思想の日本的展開}
第四章 王朝貴族と陰陽道の名人たち
{平安初期の陰陽家/陰陽道宗家の登場/安倍晴明にまつわる数々の奇譚/祇園社と吉備真備/泣不動の霊験談と名人揃/具注暦と物忌/様々の方忌/白河上皇と大江匡房}
第五章 易に心酔した政治家
{奈良朝の陰陽家/藤原頼長の『周易』研究/藤原通憲の学才と自己卜占/頼長の易者的活動/政界の推移と頼長の政治的窮迫/保元の乱における勝敗の岐路/平治の乱と通憲の自滅/通憲の首にまつわる怪談}
第六章 栄枯盛衰の世と予兆思想
{変革期の思想の流れ/平清盛の信仰と陰陽道/天文の変と蚩尤旗の出現/安徳天皇御生誕にまつわる予兆思想/時局急転と凶兆の連続/平氏の没落と陰陽道/指神子といわれた安倍泰親/陰陽寮の鐘}
第七章 山伏と陰陽道
{役小角の活動と呪禁道/葛城山系の神仙化と一言主神の信仰/広足の没落と小角の密教化/熊野大峯修験の陰陽道的思想/修験者の呪符/修験者の方術・奇術/山伏神楽}
第八章 密教と陰陽道
{宿曜道の伝来と奈良朝の宿曜師/空海の宿曜経典請来/真言密教の請雨経法/真言密教の星曼荼羅/真言密教の星供養祭文/六字河臨法/牛頭天王の信仰と縁起/簠簋内伝と日本的宿曜道の成立/牛頭天王の形相}
第九章 鎌倉武士と陰陽道
{武家の顕密仏教受容/源頼朝の挙兵と祈願行事/将軍実朝の時代の陰陽道/実朝暗殺の凶兆/承久の乱前後の陰陽師/陰陽祭の規模の拡大/宿曜師の活躍と将軍の方違え/七瀬祓と疫病に対する陰陽道的呪法/陰陽師惟宗氏/将軍の交替と陰陽師・宿曜師の活動/平氏出身の宿曜師/陰陽祭の種類/民間流布の俗信と武家故実化}
第十章 宮廷陰陽道の没落と民間陰陽道の発展
{室町初頭の陰陽師の活動/将軍義持・義教時代の陰陽道/擢暦座の出現/賀茂氏本流の断絶/土御門家の没落とその所領/近世陰陽道宗家の復興/山科言継と民間宿曜師/声聞師の活動と竈神信仰/中国の竈神と日本の荒神/中国の庚申信仰/庚申信仰の日本伝来と平安・鎌倉期における展開/庚申講・庚申石塔の出現/『庚申縁起』の成立/庚申講の食事と庚申信仰の神祇化/庚申信仰の本質と日待月待の影響/七福神信仰}
平凡社ライブラリー版 あとがき