昭和47年3版 A5判 P231 函ヤケ、汚れ、角縛り跡 本体小口ヤケ、少時代シミ 見返しヤケ
“本書が意図する主題は、旧約の歴史研究ではない。むらん教義的なことがらでもなく、強いていうならば、ヘブライ人の信仰形成の宗教的態度がどのようであったか、その宗教的思惟の諸特質を知り、基礎になっている態度を明らかにすることに重点を置いている。イスラエル人が神とどのような関係を結んだか、また思惟したか、世界や人間(あるいは共同体)をどんな態度で理解していたか。またどのような歴史意識を抱いていたか、などといった問題について、「神の認識」「世界像」「人間像」「擬人的表現と偶像崇拝禁止」「神と人間の実存関係」「漂泊の意義」「歴史意識」の各章において、ふれようと試みたものである。”(本書巻頭「はしがき」より)
目次:
はしがき
第一章 神の認識
一 神との出会い/二 神の性格/三 超越性/四 生ける神/五 創造の神/六 一つなる神
第二章 擬人的表現と偶像崇拝禁止
第三章 世界像
一 「世界」を示す用語/二 世界像の一般的表象/三 ヘブライ人の把握した自然/四 創造された世界の把握/五 世界の保持/六 歴史の現実の把握
第四章 人間像
一 人間の理念/二 共同体/三 楽園説話/四 人間の行為/五 知恵/六 共同体の倫理/七 人間的品位
第五章 神と人間の実存関係
一 啓示/二 二つのモメント
第六章 口伝律法
一 序/二 ミドラシ/三 ハラカ/四 口伝律法/五 口伝律法の意義
第七章 ヘレニズム時代の律法解釈の問題
一 経済的側面/二 律法のもとに見た労働と商業/三 アム・ハー・アーレツについて
第八章 旧約聖書における漂泊の意義
一 序/二 族長とモーセ/三 バビロンの捕囚よりの解放/四 巡礼/五 漂泊の意義
第九章 歴史意識
一 歴史的現実/二 現実にたいする信仰/三 歴史的表現/四 契約/五 時間と歴史意識
註