昭和57年4刷 四六判 P305 帯スレ、背から端にかけてヤケ カバー端僅イタミ 小口少ヤケ、僅汚れ
“文化的創造力としての宗教世界
社会集団内において宗教儀礼が果たす意味と機能を、アフリカの現地調査を基に明らかにし、人間の社会的結合の原型、コムニタスという視点から、歴史・社会・文化の諸現象の理解をこころみる。”(帯文)
目次:
はじめに
まえがき
第一章 生と死の儀礼における分類の次元
{モルガンと宗教/中央アフリカにおける儀礼の研究/ンデンブ族儀礼の予備調査/イソマ/聖地の準備/薬の採集/病気なおしのプロセス/分類の構造 ―三分法//分類の構造 ―二分法/情況と分類/儀礼のシンボリズムにおける認識と存在}
第二章 ンデンブの儀礼における双子のパラドックス
{親族と生活とにおける双子の問題 ―アフリカの実例のいくつか/ンデンブ族の双子儀礼の筋書/川の水源の行事 ―薬類の蒐集/川の水源の行事 ―流れとアーチ/村落に双子の霊所を作ること/男女両性の子授けコンテスト/男女交互の、そして、交叉イトコの応酬/親子居住のための母系相続制と夫方居住婚制との競り合い/神秘と不条理としての双子/ウブワンウに関するンデンブの見解/矢を足指に挟み片足跳びをすること}
第三章 リミナリティとコムニタス
{通過儀礼の形式とその属性/ある任命式儀礼のリミナリティ/境界にある人たちの所属性/身分体系と対照されるリミナリティ/神秘的な危険と弱者の力/千年王国論運動/ヒッピー、コムニタスおよび弱者の力/親族関係を基盤とする社会における構造とコムニタス/リミナリティ、低い身分、コムニタス}
第四章 コムニタス ―様式と過程
{コムニタスの諸形式/イデオロギー的コムニタスと自然発生的コムニタス/フランシスコ派の清貧とコムニタス/コムニタスと象徴的思考/フランシスコと永続的リミナリティ/厳格派と緩和派 ―概念化と構造/所有権と財産処理/啓示的なコムニタス/ベンガルのサハジーヤー運動/宗教の詩人チャイタニヤとフランシスコ/象徴派と保守派の分れ目/サハジーヤーとフランシスコ派のいくつかの類似点/ラーダー、清貧という私の妻、そして、コムニタス/ボブ・ディランとバーウルズ}
第五章 謙虚さと階級制 ―身分の昇格と逆転のリミナリティ
{身分昇格の儀礼と身分逆転の儀礼/人生の危機における行事と年中行事/身分の昇格/身分の逆転 ―仮面の機能/身分逆転の儀礼におけるコムニタスと構造/アシャンティ族のアポの儀式/サムハインの祭、万霊節、万聖節/男と女、身分逆転、コムニタス/インドの村の“愛の祭”における身分の逆転/謙虚さの宗教と身分逆転の宗教/南アフリカの分離主義に見る身分の逆転/メラネシアの千年王国運動に見る疑似的な下級組織/身分逆転と疑似=階級組織の現代におけるいくつかの実例/身分の高い創唱者をもつ謙虚さの宗教/身分の昇格と逆転に関するいくつかの問題}
引用文献
訳者あとがき