迫る光 パウル・ツェラン 訳:飯吉光夫 思潮社

1984年 14.0×21.9 ソフトカバー P158 帯背ヤケ、袖糊付け カバー背から端にかけてヤケ大、上端イタミ、内側糊付け剥がし跡 天・小口少ヤケ、時代シミ 地少イタミ P100僅鉛筆印消し跡(筆圧痕および消しゴムがけによる褪色)

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1984年 14.0×21.9 ソフトカバー P158 帯背ヤケ、袖糊付け カバー背から端にかけてヤケ大、上端イタミ、内側糊付け剥がし跡 天・小口少ヤケ、時代シミ 地少イタミ P100僅鉛筆印消し跡(筆圧痕および消しゴムがけによる褪色)

“ユダヤ人亡命者として、強制収容所体験と内なる闇を見据え、遂に自死した西ドイツの最もすぐれた詩人。短かい詩行のなかに狂気と救済の光をうたった遺書ともいうべき最後の詩集。最適の訳者をえて新装刊行。”(帯文)

目次:
I
聞こえる残り、見える残り/かれにまたがって夜はすすんだ/貝塚/灰をすくう匙で/微晶にまみれた/夜闇のなかにわけいった/わたしたちはよこたわっていた/地雷/だれがあなたのところまで突きすすんでいったか?/反照を受けながら/解きはなたれる/浮標をあつめる者/亡きものから/わたしたちを/

II
かつて/鉞の群/あらかじめ知っていたことが/ブランクーシ宅で、ふたりで/わたしがあなたのなかでわれを忘れたとき/身を沈ませよ/いま/アジアの一兄弟に/さえぎられて/あなたが/ロンドン・ハイゲート/稲妻が走っても

III
抛られる円盤/叩いて/龍から逃げた/暗い槌音のなかに/撒かれる・領地/書かれていない/祈りの手をたちきれ/要るだけの星が/わたしにはまだあなたが見える/おびただしい/がらんとしたところで/犠牲者たちからの粘土状の流出物/あらあらしい心臓

IV
永遠が/心音をとどめる古代の飾りピン/たがいに近づきあって/あとひとつ余分に打ち鳴らされる夜は/雷模様のはいった虫たちのうしろを/アイルランド女が/わたしに形見としてのこされた/永劫の罰を下された/製造工場の広間/胚嚢のなかで/磁気の青みをロに帯びて/満ちはじめる潮が/神に祈る女の姿をしたカマキリ/断ちわられた丸太も/水かき/語りかけることが

V
オラーニェン通り、一/井戸のように/夢の発動機で/雲雀の影のために/突破された/かすれた声のまま/妹の音絶えた時計の側よ/天候を感じとる手/時間の片隅で/わたしをも/背後に呼び捨てられていく/徐々に道化じみていく顔/道路遮断用の樽の言葉/潮流の下を

VI
狂気への道をたどりゆく者の眼/立ちはだかる明日/日録のいたみ/赭土を撒け/白鳥のあえなさ/閏世紀/湧水点/曳船の時刻/おまえはおまえであれ/あらかじめはたらきかけることをやめよ

訳者あとがき
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