2010年　四六判　P408　帯付　カバー僅汚れ

“『荒地』の詩人として、あるいは劇作家、文芸批評家として、20世紀の英語文学に圧倒的な影響を及ぼしたT．S．エリオット。その影響力の強さゆえに、偶像破壊的な批判の対象ともなったエリオットのテキストを読み直す。”（帯文）

23名の研究者によるエリオットに関する論文を集める。

目次：
まえがき（高柳俊一）

【I】
1　『プルーフロックとその他の観察』『三月兎の調べ』　映画的世界の見方と表し方（出口菜摘）
2　『一九二〇年詩集』　『荒地』への道（山口均）
3　『荒地』　テクノ・モダニズムが生んだポリフォニー（池田栄一）
4　『うつろな人々』　スウィーニーとの決別（松本真治）
5　『灰の水曜日』『四つの四重奏』　二つのアングリカン信仰と詩想の深まり（高柳俊一）
6　詩劇　共同体の再生をめざして（佐伯惠子）
7　『ポッサムおじさん猫語り』　猫とヴァースの楽しい秘密（太田純）

【II】
8　伝記　創造とその母胎（星野美賀子）
9　エリオットと形而上詩人　英文学の「創られた伝統」（圓月勝博）
10　エリオットとモダニズム　内面化したクウェストの終焉（加藤文彦）
11　エリオットとパウンド　プロデュースされた「モダニスト」（佐野仁志）
12　エリオットとインド思想　影響と借用の痕跡（村田辰夫）
13　エリオットとアングロ・カトリシズム　正統を追い求めて遡上する「鮭」（野谷啓二）
14　文芸／文化批評　「我々自身の外側にある何物か」を求めて（村田俊一）
15　エリオットとヨーロッパ　荒地からの出発（佐藤亨）
16　エリオットと日本　時代の眼差し（中井晨）
17　エリオットと女性　ラヴ・ソングは歌わない？（山本勢津子）

【III】
18　アメリカ詩の中のエリオット　除外と消去の構図（平野順雄）
19　大衆文化と「伝統」　イギリスで語るために（島田協子）
20　エリオットとノンセンス　ノンセンスの二つの定義をめぐって（小原俊文）
21　ミュージカル『キャッツ』　メモリーよ　永遠に（鈴木綾子）
22　『岩』　神の国の建築（久野暁子）
23　『荒地』草稿　もうひとつのポリフォニー（三宅昭良）

あとがき（山口均）

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