1992年3刷 四六判 P217 帯付 カバー上端少イタミ 小口ゆるく波打ち
“百年の手紙の記念碑 ベンヤミンの隠れた名著”(帯文)
“ファシズムがすでに色濃い影を落としていた1931年から32年にかけて。「フランクフルト新聞」のある連載記事が大きな反響を呼び起こした。筆者は不詳。ゲーテやグリム兄弟の手紙、カントやニーチェに宛てられた手紙など、18世紀末から19世紀末までの百年間におよぶ有名無名のドイツの人びとの私信25通を公開し、その一通ごとに極めてユニークな読みかたを付したものである。1936年、この連載は「デートレフ・ホルツ」著としてスイスで出版される。亡命中のベンヤミンの知られざる名著である。ナチスの手によって地下に潜ったドイツ精神の相貌を鋭く掘り起こした幻の本が、今わたしたちの時代に蘇る。”(カバー袖紹介文)
目次:
まえがき ツェルターからミュラー首相へ
1 リヒテンベルクからアーメルングヘ
2 ハインリヒ・カントからイマヌエル・カントへ
3 フォルスターから妻へ
4 コレンブッシュからイマヌエル・·カントへ
5 ペスタロッチからアンナ・シュルテスヘ
6 ゾイメから、かつての婚約者の夫へ
7 ヘルダーリンからベーレンドルフへ
8 ブレンターノから書店主ライマーへ
9 リッターからバーダーへ
10 ベルトラムからS・ボワスレへ
11 クローディウスからレッケヘ
12 フォス二世からジャン・パウルへ
13 アンネッテ・ドロステからシュプリックマンへ
14 ゲレスから神父フォックへ
15 リービヒからプラーテンヘ
16 ヴィルヘルム・グリムからイェニー・ドロステへ
17 ツェルターからゲーテへ
18 ダーフィト・シュトラウスからメルクリーンへ
19 ゲーテからモーリツ・ゼーベックへ
20 ビューヒナーからグツコーへ
21 ディーフェンバッハから無名氏へ
22 ヤーコプ・グリムからダールマンへ
23 メッテルニヒ族からプロケシュ=オステン伯へ
24 ケラーからシュトルムへ
25 オーヴァーベックからニーチェへ
付録 Fr・シュレーゲルからシュライアーマッハーへ
解説(テーオドール・W・アドルノ)
訳注
訳者あとがき