2005年4刷 新書判 P138+参考文献P8
“ヨーロッパは暴力と混血のちぎりから生まれた。したがって多くの場合、ヨーロッパの民族をめぐる問いに答えることは、戦争と平和にかかわる。本書は、ヨーロッパ諸民族の現在(言語・宗教・慣習・食生活・領土紛争……)とその将来計画語ることによって、民族学研究の新しい可能性を切り拓いている。”(カバー裏紹介文)
目次:
序文
第一章 ヨーロッパ民族学の歴史
I 差異を記述する
II さまざまなイデオロギー {1 ケルト人、ケルト主義、ケルトマニア/2 ゲルマン人、汎ゲルマン主義、ドイツ国家/3 スラヴ人、スラヴ愛好主義、汎スラヴ主義}
第二章 遺産の古層・基層・傍層
I 遺産の古層 {1 ラップ人、あるいはサーメ人/2 バスク人}
II インド・ヨーロッパの基層 {1 インド・ヨーロッパ祖語という共通起源の言語/2 諸文化の相似性、あるいは思考体系の同一性/3 インド・ヨーロッパ人という同一起源の民族/4 故郷についてのさまざまな仮説}
III 遺産の傍層 {1 フィン・ウゴル系の諸民族/2 トルコ系の諸民族}
第三章 遺産の継承、同化、革新
I 古代ギリシア・ローマ文明からの継承 {1 ロマンス文化圏/2 ギリシア・ビザンチン文化圏}
II 「蛮族」からの継承 {1 ケルト文化圏/2 ゲルマン文化圏/3 スカンディナヴィア文化圏/4 スラヴ文化圏/5 バルト文化圏}
第四章 アイデンティティの危機
I ヨーロッパ人のなかのヨーロッパ人 {1 さまざまな理論形成またはイデオロギーによる正当化:旧ソヴィエト連邦における民族の理論/2 連邦内のヨーロッパ系諸民族:アイデンティティの喪失と再発見/3 国民運動と民族闘争}
II 他者のなかのヨーロッパ人 {1 ラテン的モデルの植民/2 ゲルマン的モデルの植民/3 植民の古いモデルと新しい帝国}
III ヨーロッパのヨーロッパ人と外国人 {1 同化と疎外の歴史:ユダヤ人とジプシー/2 同化か追放か:アフリカ人とアジア人/3 文化変容の受け入れと連帯の承認:レバノン人とアルメニア人}
第五章 好みと価値観と信仰
I 食物の好みと結婚の選択 {1 食性と料理/2 配偶者選択のタブー、規則、好み}
II 世界の呪縛と覚醒 {1 世界の呪縛と芸術表現/2 世界の覚醒と聖なるものの新しい姿}
結論
訳者あとがき
参考文献