1996年3刷　文庫判　P645＋索引P18　カバー少ヤケ、汚れ、スレ、端イタミ、裏下端少破れ

“春水『春色梅児誉美』、鴎外『舞姫』、二葉亭『浮雲』、一葉『たけくらべ』、荷風『狐』、漱石『彼岸過迄』『門』、横光『上海』、川端『浅草紅団』など近世から現代に至る文学作品と、ベルリン、上海、江戸東京といった都市空間　―このふたつの相関を、幅広い視野と博識のもと、鋭く、エレガントにそして生き生きと解読してみせた、著者の代表作。芸術選奨文部大臣賞受賞。”（カバー裏紹介文）

目次：
序　空間のテクスト　テクストの空間

I
濹東の隠れ家　―「春色梅児誉美」
開化のパノラマ　―「東京新繁昌記」
清親の光と闇
廃園の精霊　―「狐」
塔の思想　―「佳人之奇遇」
獄舎のユートピア　―「最暗黒の東京」

II
BERLIN 1888　―「舞姫」
二階の下宿　―「浮雲」
子どもたちの時間　―「たけくらべ」
町の声
仮象の街　―「彼岸過迄」
山の手の奥　―「門」

III
SHANGHAI 1925　―「上海」
劇場としての浅草　―「浅草紅団」
焦土の聖性
紙のうえの都市　―「エーゲ海に捧ぐ」
空間の文学へ　―「杳子」

あとがき
初出一覧
『都市空間のなかの文学』解説（小森陽一）
索引