1996年 文庫判 P330 帯僅汚れ、背ヤケ カバー僅スレ
“『史記』の主要部分をなす戦国から秦・漢初期 ―この時代は以降2000年にわたり存続した〈原中国〉の枠組みが形成された時期でもある。国政を陰で操った戦国の大商人・呂不韋、游俠の徒から皇帝に成り上がった劉邦、中国古代史を『史記』に活写した司馬談・遷親子など、天子のもと統一が進められるなかで、激変する運命と、権力と才能の葛藤する政治の現場を、したたかに生き抜いた人々の群像から、『史記』の時代を読み解く好著。 ”(カバー裏紹介文)
目次:
まえがき
I 商人と法吏 ―秦帝国の二人の宰相
戦国商人呂不韋
{陶朱公説話/陶は天下の中心/道路と都市/腕をふるう大型商人/遠大な先物買い/国を買う手口/呂不韋失脚}
法治国 秦と李斯
{商鞅の改革プラン/睡虎地出土の秦律/すべて文書で報告せよ/李斯発憤/仁義の兵とは/客の効用/公と私/アイロニーの終焉/詩書は無用/最後のあがき}
II 武人と謀臣 ―漢帝国の建設者群像
王者の師 張良
{博浪沙の襲撃・復仇計画/游俠の世界/陳勝 口火を切る/王子嬰 降る/西楚覇王の時代/ブレーン合戦/張良その後}
苦悩する皇帝劉邦
{論功行賞/太子を易えるか/なぜ謀反するのだ/劉邦病む/呂太后称制}
III 肯定と官僚 ―劉氏三代
徳治の天子文帝
{呂氏誅滅/代から長安へ/社稷の臣とは/アメとムチ/匈奴と南越/直諫の構造 善政のナカミ 治世の飾り}
過渡期景帝
{晁錯の登場/呉楚七国の反/国王たちの乱行/梁孝王の驕横/幸運の女}
華麗なる盛世 武帝
{田《虫+分》横暴/時代の曲り角/淮南王謀反/春秋の義/ソツのない大臣/商人と武人の季節/酷吏の生態/張湯の自殺}
IV 父と子 ―二人の太史令
太史公 司馬談
{司馬談出仕/天官・易・道論/司馬氏の伝統/百年中変・五百年大変/仲間の方士たち/封禅に向けて/めでたき盛儀/司馬談作史}
不羈の才 司馬遷
{生いたち/感傷旅行/郎中時代の友人たち/太初改暦/著述の波紋/李陵弁護/宦官として/衛太子挙兵/任安への返書/書くことと生きることと}
あとがき
文庫版あとがき
解説(後藤均平)