昭和59年 四六判 P265 函少汚れ、少スレ、背下端割れ補修 帯少ヤケ、少汚れ、端少破れ、袖糊付け
“幻想空間を飛翔するコメット・タルホの航跡を、前衛詩史・未来派思想・病跡学=パトグラフィなどのユニークな視点から鋭く分析。精神科医の示唆に富む考察により、稲垣足穂の全貌は、いま、はじめて明らかになる。”(帯文)
“星と飛行機と少年愛の作家、イナガキタルホの全体像を、『稲垣足穂全詩集』の編者であり、精神科医である著者が、前衛詩史、未来派思想、病跡学=パトグラフィなどのユニークな視点から浮き彫りにする。第I部「コメット・タルホの飛行記録」 第II部「幻想空間の軌跡」 第III部「稲垣足穂ノート」の三部より成る。”(刊行案内宣伝文)
目次:
【I コメット・タルホの飛行記録】
コメット・タルホの飛行記録
【II 幻想空間の軌跡】
ダンセイニと足穂の幻想美学
反自然の思想と少年愛
{反自然の思想と少年愛/天体嗜好症から少年愛の美学へ/ロールシャッハテストと稲垣足穂}
足穂と未来派の思想
星と月への偏執
{星と月への偏執/月から出た人/足穂の文学とオブジェ ―ジュール·ラフォルグの月夜/足穂と月}
「童話の天文学者」
{「童話の天文学者」成立の裏話/足穂の奇想趣味 ―薄板界説について}
上田敏雄の足穂観
前衛詩誌と足穂
{「G・G・P・G」のころ/「カルト・ブランシュ」とデカドクラブの詩人たち}
足穂と詩人たち
{足穂と西脇順三郎/竹中郁vs.稲垣足穂/足穂と萩原朔太郎/足穂と丸山薫}
足穂と戦争
{足穂と戦争/有楽町の思想 ―足穂の戦中日記}
【III 稲垣足穂ノート】
石野重道詩集『彩色ある夢』とその時代
横寺町時代のこと
カバー付の『一千一秒物語』のことなど
『機械学宣言』を読む
平木国夫宛足穂全書簡から
足穂のヒコーキ・ロマンティク
足穂の手紙
日本文学大賞と三島由紀夫
他人の評言
春山行夫と稲垣足穂のこと
「星を売る店」そして「星を購ふ」
足穗と明石 ―風土記『明石』について
足穂の太宰治観
「死に語録」
『稲垣足穂全詩集』を編んで ―未来派的シュルレアリスムの詩
あとがき
初出一覧