1983年初版　文庫判　P343　カバー上端および内側時代シミ　天時代シミ多　小口からページ端にかけてヤケ

“恋人以外はなんでも手に入れられる裕福な英国紳士が、アメリカの物わびしい町の見世物小屋にかかっていた眠れる美女に一目惚れしたばかりにひどい目にあう「眠れる美女」。
ノイローゼぎみのデパート店員がマネキン人形に恋をして身をほろぼす「ある恋の物語」。
ふたごの姉妹とふたごになりすまして結婚した羨むべき男が奇妙なジレンマを感じる「なごやかな実りの季節」。そして、豪奢な暮しを夢みる男が、骨董店で、なんでもかなえてくれる妖鬼の詰められた魔法の瓶を手に入れたことで皮肉な運命に落し入れられる「フランクの買った瓶」など、人生の一面を素材にしてプロットにも性格にも念入りな加工を加えて妖しい光を放つブラック·ユーモアの傑作15編。
サキ、ビアスなどの系譜を受け継ぐ異色作家ジョン・コリアの、ありきたりの小説にあきた「すれっからしの読者」向き短編集。”（カバー裏紹介文）

目次：
眠れる美女／ある恋の物語／落ちて来た天使／なごやかな実りの季節／名優ギャヴィン・オリアリ／フランクの買った瓶／夜だ、青春だ、パリだ、月だ／わが最愛のメァリー／小さな博物館／ある主題の変奏／また買いにくる客／女だけの地獄／腹話術奇談／むかしの仲間／ウィーンから来た青春

訳者による解説