1987年初版 文庫判 P357 帯スレ 天時代シミ多 小口からページ端にかけてヤケ
“豊饒なるファンタジー
ガルシア=マルケスをはじめとする、ラテンアメリカの現代作家17人のアンソロジー。”(帯文)
“母から娘へ、何世代にもわたって繰り返され、受け継がれてきた美貌。皮膚の裏側でうごめく虫たちが、耐えがたい苦痛を与えながらも、美しさを助長し、永続させてきたのだ。しかし、ある日、その苦痛はあとかたもなく消え失せ、少女はもはや何物でもない自分に気づく。悠久に漂う魂の眼で、人間を俯瞰するガルシア=マルケスの「エバは猫の中」。
表題案件のほか、失った右手が巻き起こす悲劇(「アランダ司令官の手」)や、波と同棲する男の話(「波と暮らして」)など、17人の作家による、現実と幻想の精妙なる交歓が、ここに展開される。
ラテンアメリカ文学の魅力《エネルギー》をあますところなく伝える初めての本格的短編集。”(カバー裏紹介文)
目次:
アランダ司令官の手(アルフォンソ・レイエス)
波と暮らして(オクタビオ・パス)
犬が鳴いてないか(ファン・ルルフォ)
生活費(カルロス・フェンテス)
カナリアとペンチと三人の死者のお話(ホルヘ・イバルグエンゴイティア)
包誠《パオ・チェン》による歴史(サルバドール・エリソンド)
遊園地(ホセ・エミリオ・パチェーコ)
ミスター・テイラー(アウグスト・モンテローソ)
エバは猫の中(ガブリエル・ガルシア=マルケス)
イシチドリの夜(ガブリエル・ガルシア=マルケス)
記章《バッジ》(フリオ・ラモン・リベイロ)
薔薇の男(マヌエル・ローハス)
閉じられたドア(ホセ・ドノーソ)
羽根枕(オラシオ・キローガ)
水に浮かんだ家(フェリスベルト・エルナンデス)
旅行者 ―一八四〇年(マヌエル・ムヒカ=ライネス)
パウリーナの思い出に(アドルフォ・ビオイ=カサーレス)
追い求める男(フリオ・コルタサル)
解説(木村榮一)