昭和53年　四六判　P422＋索引P9　帯およびカバー少イタミ、背および端ヤケ大　小口ヤケ、シミ汚れ　P58・59ヤケ大

“著名な心理学者である著者が、グリム童話を中心に、昔話の根底に溢れている人間の普遍的モチーフを探り、子どもの成長に果たす心理的役割の大きさを解明。”（帯文）

目次：
日本語版への序文
訳者まえがき
謝辞
はじめに：意味を求める努力
　昔話と人間存在の問題／ユニークな芸術としての昔話

【第一部　ポケット一杯の魔法】
人の生き方を内側から見通すもの
「漁師と魔神」　昔話と寓話
昔話対神話　楽観主義対悲観主義
「三びきの子ブタ」　快楽原理対現実原理
子どもは魔法を必要とする
代理満足対意識的認識
外面化の重要性　空想の世界の人物とできごと
変身　悪いまま母という空想
混乱の中に秩序をもたらす
「みつばちの女王」　統合の達成
「兄さんと妹」　我々の中の二面性を一体化する
「船乗りシンドバッドと軽子のシンドバッド」　空想対現実
『千一夜物語』の枠物語
「ふたりの兄弟」
「三つのことば」　統合すること
「三まいの羽」　〈抜け作〉である末っ子
エディプス的葛藤とその解決　輝くよろいの騎士と窮地に立つ乙女
恐ろしいことの空想　昔話はなぜ、白眼視されたか
幼児から子どもへ―空想の助けを借りて
「がちょう番のむすめ」　自律性の獲得
空想、回復、逃避、慰め
昔話をする時に

【第二部　おとぎの国で】
「ヘンゼルとグレーテル」
「赤ずきん」
「ジャックとマメの木」　思春期の少年の直面する問題
「自雪ひめ」の嫉妬深いおきさきと、エディプス王の神話
「白雪ひめ」　女性の思春期をめぐるさまざまな問題
「三びきのクマのはなし」
「眠れる森の美女」
「シンデレラ」
動物花むこ型の昔話
成熟をめざす努力
　｛「こわがることを習いに、旅に出た、男の話」／動物花むこ／「ゆきしろと、ばらべに」／「かえるの王さま」／「キューピッドとプシケ」／「のろいをかけられた　ぶた」／「青ひげ」／「美女と野獣」｝

原註
邦訳書引用文献
あとがきにかえて
索引