1998年復刊1刷 四六判 P262 帯角折れ跡 カバー内側時代シミ多 遊び紙上端少ラベル剥がし跡 小口僅イタミ P113に一ヶ所引き線あり
目次:
はじめに
【村の民衆化】
一 村と文字文化
{1 村の成立と文字文化/2 文字文化の普及と村の文化/3 村における文字文化の獲得/4 豪農の学問と文芸}
二 無文の文化
{1 村落共同体の文化/2 民衆の反文字思想/3 文字文化と無文字文化
三 民衆の文化創造
【白隠とその時代】
一 世俗の禅僧=白隠
{1 自画賛の怪/2 出自と行脚/3 白隠の見た現世/4 寺請仏教と民衆}
二 白隠の宗門・幕政批判
{1 『遠羅天金』と宗門式判/2 『於仁河佐美』と現世観/3 『辺鄙以知吾』と政治批判/4 暗君・酷吏・村長/5 張本は民にあらず、窮鼠却て猫を噛む/6 嗟危いかな、国脉必ず断絶せん/7 神君の御遺訓/8 『辺鄙以知吾』の禁書}
三 白隠説法の世界と民衆
{1 因果応報思想/2 説法の方法 ―法語と仮名物/3 因縁・緑起の世界}
四 庭辺民衆の救済
{1 『延命十句観音経霊験記』/2 来世・地獄変相の世界}
【士にあらず農にあらず ―墓碑に刻まれた地方文人―】
一 五基の墓碑
{1 並河誠所墓碑/2 秋山古鑑墓碑/3 石井玄徳墓碑/4 渡辺求己墓碑/5有賀衛信墓碑/6 地方文人の人脈}
二 一八世紀後半の地域社会
{1 地方文人の系譜/2 豪農の経営/3 豪農と小前}
三 地方文人の確立
結語
【仁君・仁吏と義民伝承 ―幕藩制下民衆の歴史意識―】
はじめに
一 白隠の描いた民衆群像
二 伊那信仰の成立と民衆の動向
三 義民の誕生と伝承
【幕藩制村落と若者組の動向】
はじめに
一 村落支配と若者組
{1 幕府法令と若者/2 在方の若者組/3 町方の若者組}
二 幕藩制村落における若者の活動
{1 山之尻村若者の活動 (・遊日願い ・祭礼・芝居の興行 ・八分 ・他村若者組とのかかわり)/2 下田町若者の活動 (・祭礼 ・村落内の性・婚姻)}
三 百姓一揆と若者組
{1 村方騒動と若者組 (・御厨天明一揆と山之尻村 ・小前の村役人徳役要求 ・幕末村方騒動と若者 ・若者の名主宅いたずら)/2 都市うちこわしと若者組 (・下田町うちとわしと若者組 ・下田町の村落構造)}
おわりに
【近代化と念仏講 ―近代民衆史への一試論―】
一 民衆史の動向と課題
二 北豆大念仏講の思想
{1 唯念名号碑と北豆大念仏講/2 念仏講の思想/3 殉国勇士の英霊}
おわりに ―近代民衆史の課題
【日常から変革へ ―明治一○年代の民衆と豪農―】
はじめに
一 村落共同体の構造と組織
{1 村落共同体と支配/2 村落構造と豪農の経営 (・御宿村の村落構造―豪農と民衆 ・豪農下湯山家の経営)/3 村落共同体の支配構造 (・同族組織と親分子分 ・豪農と交際)/4 もうひとつの村落共同体組織 (・若者 ・狂導師唯念と念仏講 ・地芝居・祭文読・夜這い)}
二 明治一〇年代の豪農と民衆
{1 二つの共同体の拮抗(・貧民党事件の勃発 ・豪農の自由民権 ・貧民党事件の収束)}
【地域民衆と自由民権運動】
はじめに
一 明治維新期の民衆の生活と意識
{1 「狂導師」唯念/2 地芝居・祭文読・夜竊婬―御厨人種の好嗜物/3 地域民衆の生活と習俗}
二 土俗と開化の葛藤と啓蒙的抑圧
{1 開化諸法令と地域民衆/2 協働職の啓蒙/3 協働職の啓蒙/4 学制と民衆}
三 明治一〇年代前半の自由民権
{1 演説の時代/2 愛郷社の成立/3 愛郷社/4 愛郷社の演説会/5 旧公儀社員演説と民衆/6 豪農と民衆 ―湯山家の経営}
四 明治一〇年代後半の自由民権
{1 借金党と豪農/2 小学校停止の要求―校舎新築と民衆/3 豪農・村落・民衆/4 豪農の同族団組織 (・同姓 ・親分・子分 ・鉄漿親・子 ・拾い親・子 ・預り人)}
おわりに
【民衆結社の時代】
【日清・日露戦争と小学校教育 ―ムラにおける近代「公」教育の確立―】
はじめに
一 日清戦争と学校教育
{1 戦争行事のはじまり (・軍と学校 ・兵士送り ・幻灯会 ・神社祈願 ・戦勝祝賀会 ・凱旋 ・兵士歓迎 ・戦没者葬儀 ・戦利品展示 ・勲章伝達式)/2 学校行事の定着 (運動会・遠足・修学旅行・学芸会)}
二 日露戦争と学校教育
{1 戦争行事の確立 (・戦争行事の拡大と深化 ・兵士送り ・幻灯会 ・軍人慰問 ・戦勝記念式 ・凱旋兵士歓迎 ・実験談 ・戦死者葬儀)/2 村内教育体制の確立 (・模範村稲取村 ・青年夜学校 ・家庭教育会 ・同窓会 ・教育会)}
三 習俗と戦争行事
{1 子どもから見た戦争 ―子どもの戦争熱 (・子どもの戦争熱 ・模擬戦防止策)/2 習俗と日清・日露戦争 (・日清戦争と習俗 ・日露戦争と習俗)}
おわりに
あとがき
復刊にあたって