2013年 四六判 ソフトカバー P168
“ゆらぎの支配する世界から、時空間や物質-エネルギーはいかにして生まれたのか。場の量子論・ひも理論の概念的発展とともにいくつもの素粒子を予測・確認してきた素粒子物理学の成果が、宇宙の始まりを探求する上でも重要な役割を果たしている。ミクロとマクロの両極にあるかに見える二つのテーマをむすぶ究極の理論とはいかなるものなのか。二十世紀の物理学を振り返りつつ、二十一世紀の物理学を展望する。”(カバー裏紹介文)
本書の内容は、2012年4月に開催された大阪市立大学主催市民講演会「宇宙と素粒子のなりたち」における糸山・横山・川合三氏の講演、および京都大学21世紀COEプログラム公開講演会「相転移とはなんだろう?―宇宙・物質のなりたち―」における講演に基づく。
目次:
はじめに
【第1章 対称性の自発的破れと素粒子物理(糸山浩司)】
1 はじめに/2 「対称性の自発的破れ」とは/3 物質の階層性と素粒子/4 人間が自然界を理解してきたやり方/5 「力」の理解/6 「対称性の自発的破れ」と現代の素粒子物理学/7 南部理論から素粒子の電磁・弱標準理論へ/8 「真空」の歴史/9 超対称性の自発的破れ/10 終わりに
【第II章 宇宙の始まる前(横山順一)】
1 「宇宙」という言葉/2 ものさしを変えて見る ―日常の物理と宇宙の物理/3 ニュートンが考えた宇宙/4 アインシュタインの相対性理論/5 膨張する宇宙/6 宇宙の始まりと宇宙の果て/7 インフレーション
【第III章 究極理論に向けて ―超ひも理論の展望(川合光)
1 自然科学の発展のしかた/2 基本的な粒子と相互作用/3 標準模型/4 相互作用の統一/5 重力と他の三つの力の大きさの違い/6 発散の問題の歴史/7 ひも理論とは/8 弦の非摂動効果/9 究極の理論に向けて
【第IV章 二十世紀の物理から二十一世紀の物理へ(南部陽一郎)
1 はじめに/2 アインシュタインの二十世紀/3 現代物理学の地平と展望/4 おわりに ―二十一世紀の物理とは何か
謝辞
索引