日本怪談集 幽霊篇 上下2巻揃 今野圓輔 中公文庫BIBLIO

2004年初版 P205、181 各巻背および小口ヤケ 上巻帯およびカバー端イタミ、ページ下角に濡れ跡

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2004年初版 P205、181 各巻背および小口ヤケ 上巻帯およびカバー端イタミ、ページ下角に濡れ跡

“生物としての幽霊が実在するかどうかは、ネス湖の怪物やヒマラヤの雪男などよりも、よっぽど怪しいと言わざるをえない。しかし、その全てが錯覚、幻聴だったとして、ではなぜ人は永きにわたって同じような経験をし続けているのだろうか―体験談を中心にさまざまな「幽霊話」を収集・分類し、その変遷を見ることで、隠されていた日本人の精神史、民間信仰史を明らかにしようとした好著。上巻には人魂、生霊、幽霊屋敷、浮かばれない霊などを集める。”(上巻カバー袖紹介文)

“「幽霊は実在するか」という疑問にたいして、現代の科学では幽霊の存在を認めてはいない。しかし、平安時代から現在まで、数えきれないほどの日本人が幽霊を目撃し、その怪音を耳にしている。本書は体験談を中心に古典文学、民話、随筆等の中から典型的な話を集め、霊魂現象を客観的に見極めるため編まれた「幽霊体験資料集」である。下巻には死霊、船幽霊、タクシーに乗る幽霊、親しい間柄の幽霊に関する例話を収録。”(下巻カバー袖紹介文)

目次:
【上巻】
はじめに
第一章 すがたなきマボロシ
 〔解説〕気になる影の濃淡 首のない陰
 一 黒いモノがスーッと/二 誰かがのぞいている/三 動きまわる音/四 宙を行く人の気配/五 ナワスジの怪/六 足音だけの訪問者/七 片チンバの足音/八 姿なき挨拶/九 棟梁の老妻/一〇 皆が聞いた三味の音
第二章 人魂考
 〔解説〕疑問の発光体 人魂の新古 川を越す人魂
 一 恐山に向かうタマシ/二 数百個の人魂を追う/三 人魂の落ちた跡/四 挨拶まわり/五 人魂を観察/六 古靱太夫の体験/七 首の後から離脱/八 沖縄の人魂/九 ジャンジャン火 一〇 魂火の会合
第三章 生霊の遊離
 〔解説〕ふたりのひとり 魂だけの単独行動
 一 影の病い三代/二 霊媒のふしぎな脱魂/三 魂の経験/四 立小便して帰った生還/五 群馬=北京往復/六 本物と区別つかぬオマク/七 寺へ行ってきた生霊/八 同じ幽霊が二度/九 自殺死寸前の幻/一〇 死ぬ前の動静/一一 夫を取り殺した青衣/一二 生霊が息子を救う
第四章 たましいの別れ
 〔解説〕死目にあう 死人坊
 一 愛孫への別れ/二 生まれた孫との対面/三 弟恋し/四 幻の唐桟の羽織/五 みやげの葬式団子/六 「延松が死にました」/七 夢で知った夫の秘密/八 しくしく泣いた母/九 二十年昔の師匠/一〇 刑場鈴ヶ森後日譚/一一 夢枕に変死の母/一二 母鯨の哀願

第五章 魂の寄集地
 〔解説〕死霊の森 幽霊屋敷
 一 精霊田の群集/二 龍ノ森に死んだ女たち/三 山中のマヨイガ/四 くしゃみの後の呪言/五 もとの家主/六 メレ夫人のすすり泣く声/七 旧宅にいついた亡母/八 幽霊の引越し?/九 魔の一八号室/一〇 開かずの間
第六章 浮かばれざる霊
 〔解説〕史実と芸能と牛込の皿屋敷 お菊虫
 一 番町皿屋敷異聞/二 菊女ガ松由来/三 「ありがとうございました」/四 暗闇から白い手/五 残した艶書で浮ばれぬ/六 踊への執念/七 恋のもつれ/八 骨壺の乱れ/九 手まりをつく少女/一〇 壁の中の声/一一 米軍に焼き殺されて/一二 員数外のもう一人/一三 長靴をはいた濡れ男/一四 亡霊のおかげで事件解決/一五 自首させた亡霊/一六 墓中にも階級制度/一七 猫の顔の女/一八 死霊の誘い
索引

【下巻】
第七章 死霊の働きかけ
 〔解説〕恨めしくない四谷怪談 戦場故郷往来
 一 防空頭巾の集団亡霊/二 子供にだけ見える/三 背中に殺した女/四 うらやましかった日本髪/五 まま母二題に殺した女/六 落語「もう半分」/七 「おっかさん握り飯を」/八 白い服の日本兵/九 魂の帰還兵/一〇 首なし日本兵/一一 骸骨の亡霊/一二 元特攻隊基地/一三 死体安置室/一四 兵隊姿の大入道
第八章 船幽霊その他
 〔解説〕恐ろしい水難者の霊
 一 洋上に三本の松の木/二 海坊主のあくび/三 墓地に帰る海の霊/四 乗り込んでくる死人/五 鳴門競艇場の白昼夢/六 次第に目鼻が出る/七 船中の人語を忌む/八 幽霊軍艦“志自岐丸”/九 全国船幽霊資料/一〇 人に憑くボラ/一一 海難者のタマシ
第九章 タクシーに乗る幽霊
 〔解説〕駕籠から人力車へ 幻の無人自動車 幽霊と交通機関
 一 タクシーと幽霊プロローグ/二 カー・ラジオの効用/三 座席だけがぐっしょり/四 終電車の老婆/五 小田急に三姉妹/六 碓氷峠の幽霊娘/七 月明下の闇/八 独りで動く供養石/九 もうひとりのスチュワーデス
第十章 親しき幽霊
 〔解説〕あの世の夫婦 牡丹燈籠
 一 会計簿の整理に/二 フローレンスの亡霊/三 先妻の頼み/四 落語「毛の伸びるのを待って」/五 恋慕無情/六 夫は恨まぬが/七 あの世では初恋の人と/八 落語「反魂香」/九 露天風呂のアベック/一〇 墓地の清掃「ありがとう」/一一 そば代払った菊之介/一二 有楽町で消えた従弟/一三 幽霊との対決まる一年/一四 狂い死にした妾の幽霊/一五 「殺されたのにまだ出るか」/一六 「枕返しの幽霊画」/一七 影の薄かったロンドン婦人

幽霊外伝
 幽霊は実在するか/幽霊と無縁仏/子育て幽霊の背景/産婦の亡霊/若葉の幻
解説(木原浩勝)

【付録】日本怪談集妖怪篇(上)(下)索引
索引
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