1970年5刷 四六判 P246+索引P14 函スレ多、少汚れ 本体表紙時代シミ 小口少汚れ
目次:
一 序論
{日本文化の伝統性と外来性/習合現象の重要性と本地垂迹説}
二 発生期の習合思潮
{仏教伝来当初の事情/神仏習合の素地/国家仏教の隆盛/宇佐八幡の上京と習合活動の積極化/国家と仏教の分離/天台真言両宗派開立の新方向/台密両宗派の神祇接近/習合現象の進化/わが古代の咒術信仰/役小角の宗教/日本的「呪」の本質/仏教の咒術的魅力/呪術活動の弊害/人格神観念の発生/八幡神の進化/歴史的人物の神格化/仏教の日本的特質}
三 密教の成長習合思潮
{密教と呪術信仰の抱合/八幡神の密教的性格/八幡神の山城進出と真言密教への接近/僧形八幡像の出現/本地垂迹説の成長/怨霊思想の出現とその経過/御霊会の成立/怨霊思想と習合思想の関係/御霊会の盛大と雑芸者の抬頭}
四 浄土思想の発生と習合思潮
{神祇界の変動/空也の念仏布教/固有の民俗信仰と念仏の関係/聖と別所/共同体的生活様式と念仏の集団性/講と講式/神社の講/念仏と芸能との関係/金峯山信仰の発生/蔵王権現の信仰/金峯山の神祇仏尊/金峯山浄土の思想/熊野信仰の発生/熊野三所権現の成立/熊野・金峯山両社組織の充実}
五 新仏教と習合思潮
{浄土宗の神祇観/民衆の神祇観に及ぼした浄土宗の影響とその変貌/浄土真宗の神祇への関心/諸神本懐集の主張/神国意識と弥陀信仰/親鸞の王法仏法観/時衆の習合的性格/禅宗の対神祇関係/日蓮宗の性質と習合的要素/神国意識の発生/神国思想の変質/神国思想の盛行と伊勢神官の活動/公家における神国意識の高揚/武家の神国思想/元寇と八幡愚童訓の神国思想/神国思想の行方と中世民衆の神祇觀/習合思想は政治上のイデオロギーとならず}
六 習合美術の本質(一)
{習合美術の二つの課題/神像表現の濫觴/仏像発生の歴史/仏像におけるギリシヤ神像の影響/仏像表現の進化/印度密教の興隆と造像法の完成/日本の密教と神像表現の素地/八幡神像の特色/八幡僧形像と弘法大師像/八幡像の神像的特色/菩薩の地位と八幡神像の表現/肖像的表現と神像的表現の区別/ギリシヤにおける神像と人間像の関係/神像の大きさとその限界/神像の特異な作例}
七 習合美術の本質(二)
{絵画による神像表現の意味/八幡神像図の特色/春日神像図の特色/春日マンダラの諸形式/本地仏の図像と室町時代の春日神影/祇園の神像形/日吉社神影図の特色/大峯態野マンダラ図/熊野神影図の作例/天神影の特色/天神渡唐説の発生/清滝権現の像容/丹生・高野両明神影と住吉明神影/境内図及びマンダラの発生/習合マンダラの諸相/マンダラの風俗画的発展/習合マンダラの効用/日蓮宗のマンダラ/天部及び童子の習合化/大黒天信仰と大黒天像/慈恵大師の信仰/赤童子の信仰と像容/雨宝童子と金剛童子}
八 習合文芸思潮
{唱導の重要性/唱導の発達/唱導と戦記文学/神話伝説・歴史物語の唱導化/神道集の内容/お伽草紙本地物と神道集の関係/絵巻物と本地物と絵解/中世後期の神祇講式と和讃/福神の講式と祭文/和歌の講式}
九 行事にあらわれた習合思潮
{行事の復興とその反省/石清水放生会の由来/放生会の流行と魚味供膳との調和/生贄の意義/贄と神使及び神体/石清水の仏教的諸行事/盂蘭盆の発生/わが祖先信仰と盂蘭盆行事/夏祭りと盆踊り/冬祭りと祓の習合的形体/習合行事の分化と民間行事の重要性}
一〇 習合理論の変遷
{習合史の二つの分野/習合理論樹立の必要/習合理論樹立の先駆/天台における神道理論の構成/山王一実神道の特色/玄旨帰命壇の成立/両部神道の特色/天地麗気記の内容/天地霊気記の性格/神道五部書の構成/神道五部書の思想/伊勢神道成立の根拠/伊勢神官の仏教信仰/神宮習合化の必然性/慈遍親房等の神道論/唯一神道の成立と兼俱の策謀/反本地垂迹説の完成/儒家神道説の仏教排撃/垂加神道の性格}
一一 神仏分離
{神仏分離と民衆と関心/神仏分離に伴う混乱の惹起/神仏分離の終熄と習合の形式的復活}
索引