蛇 日本の蛇信仰 吉野裕子 講談社学術文庫

2007年13刷 文庫判 P324 カバー僅スレ

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2007年13刷 文庫判 P324 カバー僅スレ

“古代日本は蛇信仰のメッカであった。
縄文土器にも活力溢れる蛇の造形がたくさん見られる。蛇に対する強烈な畏敬と物凄い嫌悪、この二元の緊張は注連縄、鏡餅、案山子など数多くの蛇の象徴物を生んだ。
日本各地の祭祀と伝承に鋭利なメスを入れ、洗練と象徴の中にその跡を隠し永続する蛇信仰の実態を大胆かつ明晰に検証する意欲的論考である。”(カバー裏紹介文)

目次:
講談社学術文庫収録に当たって


第一章 蛇の生態と古代日本人
 はじめに
 一 蛇の生態(高田資料による)
 二 ハブの生態(中本資料による)
 三 縄文土器にみる蛇の造型
 四 蛇の見立てのはじまり
  1 樹木と蛇/2 山と蛇/3 家屋と蛇

第二章 蛇の古語「カカ」
 一 カガチ
 二 カガミ
 三 「カガミ」と「カガチ」
 四 少彦名神の神格とカガミの舟
 五 カカシ
 六 ホウヅキ
 七 カカ
  1 大祓祝詞における「カカ」/2 『風土記』にみる「カカ」/3 『万葉集』にみる「カカ」(その一)/4 『万葉集』にみる「カカ」(その二)/5 民俗の中にみる「カカ」/6 爬虫類にみる「カカ」/7 大年神神裔中の「カカ」
 おわりに

第三章 神鏡考
 はじめに
 一 蛇と光
  1 蛇の目の生態/2 八岐大蛇の目の光/3 三輪山の蛇神の目の光/4 味耜高彦根神と光/5 肥長比売と光/6 蛇の目の光
 二 神鏡
  1 鏡と蛇の目の相似性/2 鏡と剣/3 鏡に対する倭人の情熱
 三 神鏡と蛇
  1 栲幡皇女伝承/2 鏡作部遠祖、アメノヌカト/3 斎宮と蛇/4 『朝熊山縁起』における神鏡と蛇/5 鏡と椰
 四 古鏡と池
 五 古鏡と古墳
 六 『捜神記』における大蛇の目と鏡
 おわりに

第四章 鏡餅考
 一 正月の鏡餅
  {1 文献にみる正月の鏡餅/2 鏡餅私見―歳神(蛇)の造型としての鏡餅/3 歳神の本質/4 各地の歳神の共通点/5 歳神と案山子の同一性}
 二 鏡餅の種々相
  {1 近江湖北のオコナイの鏡餅/2 三重県三重郡三重村生桑神社との鏡餅供進祭/3 石見の鏡餅と蛇}
 三 オキョウモリ考
 四 正月の丸餅

第五章 蛇を着る思想
 はじめに
 一 マヤ遺跡にみる蛇体の連続三角紋
 二 台湾原住民の祖先神話蛇造型にみる連続三角紋その他
  {1 パイワン族創世記(「太陽と百歩蛇」)/2 祖先神象徴の蛇体三角紋の彫刻板/3 連続三角紋彫刻の木蛇(針磨き、糸こき)}
 三 日本における蛇を着る思想
  {1 装飾古墳壁画および埴輪巫女像にみる連続三角紋/2 蒲葵葉の着装/3 蒲葵の蓑笠/4 「裳」について/5 修験道における蒲葵扇}

第六章 蛇巫の存在
 一 日本における蛇巫存在の可能性
  {1 装飾古墳の三角紋と巫女埴輪にみる三角紋/2 蛇巫に関わる諸問題/3 蛇の祭祀法}
 二 蛇巫と蛇祭祀
  {1 ヌカヒメ伝承(『常陸風土記』)/2 箸墓伝説/3 賀茂社創建譚/4 三輪大物主神と丹塗の矢}
 三 蛇飼養の記憶と仏教説話
 四 蛇巫の零落とトウビョウ
 五 蛇巫の遺したもの(民俗の中に残る蛇祭祀)
  {1 ヤスノ御器/2 年桶(歳桶・棚桶)/蛇神事に付随する「壺」と「箱」の祭祀}
 六 ミシャグチ神
  {1 蛇託宣の種々相/2 諏訪神社上社の秘神/3 ミシャグチ神とその祭祀/4 「ミシャグチ」の名称の中に潜む蛇/5 「ミシャグチ」の「チ」の推理/6 「剣先版」に相似の小野神社の神代鉾/7 佐奈伎鐸(サナギの鈴)/8 小野神社の高鉾につけられた「鍵」/9 蛇の全身の造形物としての高鉾/10 鐸および高鉾に関する私見のまとめ/11 ミシャグチ神の「シャク」の推理/12 ミシャグチ神祭祀の変遷}

第七章 日本の古代哲学
 はじめに
 一 男祖先としての蛇
 二 女祖先としての蛇
 三 脱皮について
 四 仮屋
  {1 日本人の世界観と清浄観/2 産屋の原理(人生通過儀礼における仮屋)/3 ミソギ私見/4 年間儀礼における仮屋(脱皮の機能を期待されるもの)}
 五 節折の儀
 六 荒世・和世と荒魂・和魂
 七 ムケノツイタチ

あとがき
解説(村上光彦)
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